このCDは、12曲中7曲が、イタリア合奏団の演奏になっている。同じイタリアにあるイ・ムジチと比べてみても知名度はいまひとつだが、ここの演奏がなかなかよい。
パッヘルベルのカノンは、ほかでは決して味わえないみずみずしさにあふれている。この曲はたくさんの演奏を聴いたがとうとう初めに聴いたこの演奏を越えると思うものはなかった。
有名なラ・フォリアでは美しい旋律が見ものだが、とにかくチェロが上手い。ただ、指揮者がいないためか、全体としての統一感に欠けるのが残念。
また、有名なベニスの愛他、2曲のオーボエ協奏曲のソロを吹いているシェレンベルガーは元ベルリン・フィル首席オーボエ奏者。心に響く豊かな音色、情感に溺れずこれだけ落ち着いて歌い込める奏者は滅多にいないだろう。これもこの曲のベストの演奏と思う。特にマルチェルロの協奏曲は素敵な曲なので是非全曲聴いてほしいところ。
名手ラリューのフルート、中野振一郎のチェンバロもいい味を醸し出している。F.クープランの葦の独特の雰囲気には思わずのめりこんでしまう。
選曲も素晴らしい。バロックのオムニバスならこれがイチオシ。唯一の難点はバッハの曲が入っていないことだが、バッハ名曲集と称したオムニバスはたくさん出ているわけで問題ない。