黒かったアヒルの子がある日突然白鳥に変身する物語を再現したかのような時の人、Paul Potts。
世界中の注目を集める彼のオリジナル第二作ですね。この第二作のご購入を迷っていらっしゃる方
も少なからずおられるのかもしれません。でも私は二つの理由で迷うことなく購入致しました。
一つ目は、とにかく彼の「声」が大好きだから。愁いと艶を持ったPaulの歌声。誰か(何か)を一
途に思い続けるような誠実な声。永遠に届かない人を恋い焦がれ続けるような哀切感を持った声。
そんな彼の声が何より好きなんです。
二つ目は、選曲。特に「愛は面影の中に」。あのロバータ・フラックの名唱以外にはこの曲は存在
出来ないと思い続けておりましたが、彼はクラシカル・クロスオーバーのアプローチで見事にこの
曲を歌っています。他にもプロコル・ハルムやニーノ・ロータの曲、日本でも人気のNZの歌姫ヘイ
リーとのデュエット曲、もちろんクラシック曲やオリジナル曲もと多彩な曲も入っています。
割とポピュラーな曲が目立つためこれはともすると安易なカバー・アルバムになってしまいがちで
すが、全曲イタリア語で歌う事、豪華なオーケストレーション等によりクラシカルな趣を残してい
ます。安直性の排除に成功しています。アルバム作風も基本的には前作を踏襲しており、奇を衒う
事もなく誠実に歌を届けてくれています。似たような曲の終わり方が目立つのがやや何ですが、で
もそれも些細な不満といったところでしょうか。
最近のプロモを見ましたら、もうすっかりベテランの歌手の趣を感じました。やはり「男の顔は履
歴書」なんだと思いました。自信が顔を作るのだと。彼を取り巻く話題性はそのうち潮が引くよう
に消えて行くでしょう。でも今の俄人気が消えてもその誠実な歌声がある限り、彼はきっと地道に
歌って行くことでしょう。そして彼の声に惹かれる人がいる限り・・・ずっと。
彼の「話題性」ではなく、彼の「歌声」が好きな方には迷わずお勧めいたします。