1983-84年に京大・名古屋大・筑波大・北大の合同で企画されたパタゴニア探検隊に同行した朝日新聞記者による紀行文である。
氷河調査が探検の主目的であったが、本書で取り上げられているのは、パタゴニアのさまざまな側面である。鰯漁とエル・ニーニョの関係、日本とチリとの関係史、日本人の協力のもとに進められたサケ・マス養殖、現地の焼き物、人々との交流など。
そのため、やや焦点がぼやけ、「氷河」について読めると期待した点は満足できなかった。
このときの探検については、公式報告書のほか、中島暢太郎『パタゴニア氷河紀行』()近藤裕志:写真,リブロポート,1991年)など何冊か出ているので、合わせて読んでもいいだろう。