一般の人がパソコンで良い音を楽しみたいなら、最初は1万円くらいのオーディオ・プロセッサー(外付けサウンド・デバイス)を付ければ良いことです。具体的には ONKYO の USBデジタルオーディオプロセッサー SE-U33GXV ならUSBケーブルをPCに接続するだけで設定が完了するので、難しいことは何もありません。
ヘッドフォン端子(ヴォリューム付き)もありますし、出力端子をミニ・コンポやアクティブ・スピーカーにつなげば、それまでのPCの音とは比べものにならないくらいの良い音に驚くことでしょう。 入力端子にレコード・プレイヤーやカセット・デッキをつなげば、アナログの音をデジタルに変換してPCに取り込むことができ、それを編集するソフトまで付いています。
でもこれはパソコンで『極上のオーディオ・サウンド』を楽しむ本です。PCとアナログ機器をつなぐDAC(デジタル・アナログ・コンバーター)だけでも数十万円のものが紹介され、DS(デジタル・ストリーム)システムに至っては2,940,000円という桁違いの機器まで出てきますが(一体誰が買うんだ?)、とても一般的な価格とは言えません。
オーディオ・マニアとは、アンプやスピーカーといった機器、つまりハード面にお金をかける人たちのことです。
普通の音楽ファンであれば、それだけのお金があれば音楽CDなどのソフトを購入するのに使うでしょう。 音楽は料理と同じで上を見ればキリがありませんが、お金をかけた分に比例して良いものが手に入るとは限りません。 三百万円の絵を一枚飾るより、二千円の画集やCDを数多く鑑賞する方が余程心が豊かになると思います。レンタル店や図書館を利用するとか、お金をかけなくても音楽を楽しむ方法は色々とあるでしょう。
何も知らない初心者にいきなり高価なものを推薦するより、最初は無理なく手に入るものから始めるように教えてあげる人の方が、ビギナーにとって親切なのではないでしょうか。
この本はB6版で、文庫本より少し長いくらいのコンパクト・サイズですが、紹介されているアンプやプレイヤー、DAC(デジタル・アナログ・コンバーター)といった機器はどれも数十万円もするものばかりで、せいぜいヘッドフォンが数万〜数十万円ですが、それでもあまり一般的な価格とは言えないでしょう。
一言でいうとこの本は「パソコンが苦手なオーディオ・マニア向け」といったところですが、半分は簡単な商品カタログみたいで、詳しいことはあまり書かれていません。 私は他の本と一緒に図書館で借りて読んでみたのですが、この程度のことなら初心者向けのパソコン雑誌にも書かれていそうなことばかりで、参考になることはほとんどありませんでした。
この本は、たかが数十万円の機器であればボンとお金を出せるという人向けのもので、お金の無い人向けではありません。 一般庶民とはどうも金銭感覚が一桁か二桁違うようですが、オーディオにそれだけのお金がかけられるなら、私なら被災地の方たちに回してあげたいと思います。