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パスタでたどるイタリア史 (岩波ジュニア新書)
 
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パスタでたどるイタリア史 (岩波ジュニア新書) [新書]

池上 俊一
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,029 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

長い歴史と豊かな地域色をもつイタリアで、人々の心を結ぶ国民食パスタ。古代ローマのパスタの原型、アラブ人が伝えた乾燥パスタ、大航海時代がもたらしたトマト。パスタの母体となった中世農民のごった煮スープに、イタリア統一を陰で支えた料理書、そしてパスタをつくるマンマたち……。国民食の成立過程からイタリアをみつめます。(カラー16頁)

内容(「BOOK」データベースより)

「パスタを食べることでイタリア人はイタリア人であることを自覚する」―。地域色の強いイタリアで、人々の心を結ぶ力をもつパスタ。この国民食は、いつ、どのように成立したのでしょう。古代ローマのパスタの原型から、アラブ人が伝えた乾燥パスタ、大航海時代の舶来種トマト、国家統一に一役買った料理書まで。パスタをたどると、イタリアの歴史が見えてきます。

登録情報

  • 新書: 228ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2011/11/19)
  • ISBN-10: 400500699X
  • ISBN-13: 978-4005006991
  • 発売日: 2011/11/19
  • 商品の寸法: 17 x 10.6 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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 ページをめくると、いろいろの形をしたパスタやトマトなどの具材、そしてイタリアの人々がパスタをつくっている様子を写した写真が目に飛び込んできた。特に、普段見慣れない多くのパスタを見ると、いかにパスタがイタリアで発展してきたのかがうかがえる。本書は、第1章から第4章までがタイトルの通りパスタを通したイタリアの歴史について古代から近代まで述べられている。特に個人的に面白かったのが、第5章と第6章である。
 
 第5章では、なぜ他の料理ではなく、パスタが女性、とりわけ母親のイメージと結びついた料理とされたのかが検討している。昔からイタリアの農家では花嫁の素養として料理上手であること、特にパスタがうまく作ることが求められたようである(本書、160‐161頁)。加えて、近代の工業化以前では、パスタ作りは男性と同じように従事することができていたのである(162頁)。近代にはいると、男性が工場内で機械を用いてパスタ作りを行なうようになり、女性は主に家庭内でパスタ作りの役割を担っていた(162‐164頁)。
 
 これらのように、パスタは母親の象徴とみなされていったが、著者はこれには「裏」があるのではと考えている。というのは、中世以来カトリック教会による女性蔑視、家庭内での良き従順な妻にして母のイメージが男性のブルジョワによって定着されたことが大きな影響を与えたとしているのである(173‐175頁)。
 
 第6章は、イタリア人に愛されているパスタに敵対者が現れたエピソードが紹介されている。その敵対者は、3つある。1つ目は、アメリカに移民としてやってきたイタリア人は、現地で差別を受け、移民食を否定され、代わりにアメリカの食生活への同化を奨められたこと。2つ目は、戦後ヨーロッパにおいてアメリカへの憧れが増したことで、食べ物・料理にもアメリカ流にしたいと考える人たちが現れてきたこと。最後は、スピードとダイナミズムに憧れ、都市生活、機械文明を礼賛する未来派によって、パスタをイタリアの習俗、モラルの堕落のもとだとして貶めたことである(187‐207頁)。
 
 また、近年食生活の多様化により肉の消費が増えたことや食品加工・保存技術・流通網が発達したことで季節を無視した、欲しいものが食べられるといった食の均一化、そして女性の社会進出が増えて行ったことも見逃せない。というのは、各土地で伝統的にさまざまな行事と結びついて作られてきた珍しいパスタがどんどん消えて行ったり、パスタの「お袋の味」の要素も減少していることが引き起こされているという(204‐209頁)。
 
 このような状況の中でも、イタリア料理は健康には良いということが分かってきており(216‐217頁)、世界各国の伝統的で優れた食を守ろうとする「スローフード運動」がおこっていることも注目すべきである。食の多様化は進み、デメリットの面もあるが、自分たちにとって未知の食に出会える機会や自分たちの伝統料理を世界に向けて発信する機会が増えるというメリットも考えられる。いずれにしても、イタリアの歴史や文化を知るにはうってつけの本である。
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10 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
この本が、中高生向きに書かれていることで、学術的に重要であるかは知りません。しかし、中高生に歴史の面白さの知ってもらい、興味を
待ってもらうことは必要であります。歴史の見方には、色々あるのであると知ってもらうには、対象とする中高生には、このような本は十分
であります。
「食文化というのは意外と保守的なもので、文化の他領域がどんどん進化しても、なかなか変わらない面があります。」とあるように、パスタ
を通して、イタリア並びにヨーロッパの歴史を知るには、面白いのではないでしょうか。分裂国家、イタリアを統一したのも料理本であること
、国家を統一するために、料理を通して実施したこと、同時に地方料理が作り出されたというのも、面白いことであります。
パスタほど、一つの素材、料理に収斂出来たものは、ないと。対抗馬になるのは、インドのカレーではないか、といい、韓国のキムチは、
ごく最近の産物であって(20世紀に入ってから普及したもの)、民族の魂のように持ち上げるのは、近代的イデオロギーにすぎない。と
断定しているのは、非常に面白い見解であります。
私にとっては、「・・・ゲルマン人は、かって言われていたような狩猟採集民ではなく、むしろ定着的な農耕と牧畜を行う民族であった。」
というのが、非常に新しい感じを受けました。難しい漢字には、ルビがふってあります。恐れずに読んでいただきたい。歴史は、年号や戦争
の順序を覚えること以外に面白いこともありますから。
対象とする中高生にとっては、少し、難しいかもしれません。しかし、中高生が学ぶ、無味乾燥な世界史の内容を補完するという意味において
、「世界の過去の歴史をしっかりと振り返り、それによって現在の諸問題をよりよく理解し、未来への指針としていただきたい」そして、
「皆さんの歴史への興味をかきたてられたとしたら」という、著者の意図は、十分に受け入れられるのではないでしょうか。
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