表題にもなっている「パガニーニアーナ」は20世紀を代表するヴァイオリニストの一人ナタン・ミルシテインの作品です。「技術的に難しいけれど、全体的に流れる独特の哀愁が好き」と龍君自身が語っているように、ヴァイオリニストとしての総合力が問われる真の難曲です。
作者ミルシテインの他には奇才ギドン・クレーメルが素晴らしい録音を残しています。クレーメルの演奏を聴くとトップレベルの凄さを否応なしに実感させられます。「龍君は天才と宣伝されているけど、本当のところ実力はどの程度なの?」と疑問に思っている人は聴き比べてみるのも面白いでしょう。
もっとも、「御大と比較して龍君は…云々」等と小姑みたいなことを考えなければ、楽しく聴けるCDだと思います。「パガニーニアーナ」だって意欲的で悪くはないし、爽やかな好青年の龍君にスプリング・ソナタやサン=サーンスの作品はよく似合います。
私は龍君の熱心なファンではないので、あっさり星4つにしました。しかし、彼が子供だった頃から応援しているファンにとっては、たくましく成長した龍君が今後の方向性を示した作品として星5つ以上の価値がある必聴盤だと思います。