レシピ全体のうち3/4くらい作りました。著者は皆がおいしいと思える味を作ることのできるかただと思います。
シンプルで手軽に作ることができますが、この本のなんといっても素晴らしいところは、掲載されているケイクを作っていくことで知らず知らずにお菓子作りが学べ、うんと成長できるところだと思います。シロップ、アイシングなどの上がけ、下準備としての果物のコンフィ作り、クリーム、チョコレートの扱い、洋酒の使い方など、ひとつひとつのレシピはシンプルなんですが、それぞれ一様でなくバリエーションに富んでいて感動します。お菓子作りを学んだことがないかたも、いくつか作っているうちに、いつの間にか広く材料を扱えるようになると思います。かわいい本ですが著者の若山さんのしっかりしたお菓子力がレシピに反映されていて、作る側のためになる、よく考えられた親切なレシピだと思います。
パウンドケーキの基本となる生地は二種類掲載されていますが、どのレシピを作ってもこの間のケイクとなんだか一緒っていうことがないんです。すごいなー。毎回新鮮な気持ちになります。基本生地の一方はベーキングパウダーが使われていますが量は最小限で生地の風味には影響はしません(私はベーキングパウダーを使った生地の発泡感のある口あたりが苦手)。お菓子作りに馴れているかたはほとんどのレシピはベーキングパウダー抜きで作れるものだと思います。
こちらの本ではマトファーのパウンド型が使われています。必ずマトファーのパウンド型でということはありませんけど、もし良かったら使われたらいかがでしょうか。他にはないとてもきれいな形で、熱のまわりが良く、全体に美しい焼き色がつき、エッジもきれいに出ます。生地への熱の入り方が理想的で、フッソ樹脂加工の型やシリコン型とは、ふくらみも違います。味も変わる出来の良さに、それだけで腕が上がったような気になります(手放せない大好きな型なのでつい推奨)。
もっと複雑な組み立てるケーキも時々作りますけど、これからもこの本はずっと大事にして、この本の中のレシピは幾度も作っていくと思います。