オキナワ映画に名作は多いと思うが、最高の傑作は何か?・・・この迷宮入り確実な問いに、正解はない。が、しかし「パイナップルツアーズ」を見ていなければ、この問いそのものが無意味になってしまうことは確実だ。それほどまでに戦後沖縄から現在に至るまで、ガ〜ンと胸に響く普遍的なテーマをこの映画は持っていると思う。
物語りは、沖縄の離島出身のオペラ歌手が、故郷の島に帰ってくるところから始まる。彼女はなぜか声が出なくなってしまっていて、その原因を調べるべくユタ(占い師)に診てもらったところ、太平洋戦争時代にアメリカ軍が投下した爆弾に原因があるということが判明。それはどうやらこの島のどこかに不発弾として埋まっているんだそうな。これをきっかけに、時間をまたぐ3つのストーリーがつながって進行するオムニバス映画となっている。「ナビイの恋」の中江裕司監督、「琉球カウボーイ、よろしくゴザイマス。」の當間早志監督などがそれぞれオムニバスの一編を担当。全国区女優・平良とみや、今は亡きテルリン・照屋林助をはじめ、沖縄映画やオキナワミュージックシーンの主要人物たちが快演がすばらしい。ストーリー展開はときに神秘的、ときに笑い満載、そしてときに破壊的。沖縄人のトラウマ、沖縄人のホンネが、どこまでもしたたかなブラックユーモアに包まれて噴出する。そこに、ウチナー(沖縄人)の魂のしたたかさとしなやかさを感じることができる。好きか・嫌悪感を憶えるか。沖縄好きの日本人に、自分の心の在処を問いかける、真の名作だと断言させていただこう。