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26 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
知を愛するということ,
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レビュー対象商品: パイドロス (岩波文庫) (文庫)
このパイドロスは、プラトンの著作の中で最も重要なものである。田中美知太郎氏は、プラトンは最も大事なことはどの著作にも記してないといっている、と語っているが このパイドロスから推測することは十分可能であると思う。 なにか新しいことを知ったといっても知識が一つ増えるだけであり、新しい発見など何もない。 その意味で、世に知識人とかインテリとか言われている人間は、智慧の「ち」の字もない。 そんな人間が慢じた姿で闊歩し、世の中でも尊ばれているのが古代ギリシャから変わらぬ真実である。 雄弁は説得のためのものであり、ディベートに至ってはいいくるめの術である。 信じ合っている物同士、愛し合っている物同士が心を開いて対話する、 その対話の中に閃光のように智慧がひらめく。 問いを発し、それに答えるこの対話はまた、自分一人でもできる。 自問自答である。 これが哲学と言うことであり、智慧を愛するということであり、よりよく生きるということである。 その模範、精髄をここに我々は見ることができる。
32 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
本質を掴む,
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レビュー対象商品: パイドロス (岩波文庫) (文庫)
プラトンの著作を読むならまず“ソクラテスの弁明”から入り、次にこの作品(あるいは“ゴルギアス”)をお勧めします。この作品は“国家”という超大作の後で、プラトンがもう一度シンプルに己の哲学の要諦をまとめ直している−という感じがします。短い作品ながらも内容は充実しています。 “恋は、恋する人よりも恋される人のほうが得をするのだから(傷つきもしないし、それなりに楽しめるから)、そういう恋愛をすべきだ”という何やら現代社会でまかり通っている様なドライな恋愛論に対してソクラテスが反駁を試みる−という所から始まります。 プラトンの作品の卓抜な点は、四角張って倫理道徳を説く前にまず、全ての人が感じているこの世の矛盾にするどく切り込んでいくところにあります。 その突っ込みの大胆さにはワクワクする様なスリルがあります。 そしてその様な得だの損だのと言った技術論よりも、本当に物事の本質は何か−に思い至らなくては善い生活を送ることはできない−という基本的な主張に収斂していきます。 何やら精神論的な匂いが強くていやだ−という人も居るでしょうが、私は処世のテクニックばかりが云々される今日において、何をするにもやはり心構えとして持っていたい立派な人間の精神遺産だと思います。 読んでみてください。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
スモーキーゴッド!,
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レビュー対象商品: パイドロス (岩波文庫) (文庫)
哲学書によって哲学をするとはいったい何なのだろう。恐らくプラトンは、自分の書物に大事なことを書かなかった (第7書簡の意を汲むなら)というよりは、自分が書けない ということを心のそこから自覚していたのではないだろうか。 ソクラテスという強烈な哲学者の姿を目の当たりにして、 その上でなお、哲学を哲学論文によって遂行することなど プラトンには到底信じられなかったことだろう。 彼がなぜ対話編で書かなければならなかったのか。 彼の対話編の登場人物にはなぜ実在の人物が多いのか。 なぜ彼自身はほとんど対話編に姿を現さないのか。 また、ソクラテスと交わしたであろう”なま”の対話を殆ど(恐らく『弁明』のみ) 記していないのはなぜか。 哲学書によって哲学をすることができるのならば、彼はただ、 『プラトンの哲学』を書けばよかったのである(当たり前のことだが、 対話編は単なる自問自答の装置ではない、だから徒に抽象化できないのである)。 しかし、そうはしなかった。 その謎が、この対話編の中に豊かに取り込まれている。 むろん、美しいギリシア古典文学作品としても一読の価値があるだろう。
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