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パイドロス (岩波文庫)
 
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パイドロス (岩波文庫) [文庫]

プラトン , 藤沢 令夫
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

真実そのものの把握なしには真実らしく語ることさえ本来的に不可能であることを立証し、「哲学」の立場から鋭く当時の弁論術を批判したのがこの対話篇である。本書はプラトン(前427‐347)の代表作の一つであって、特に『ソクラテスの弁明』をはじめとする前期著作群を『テアイテトス』以降の著作に結びつけてゆく重要な役割を担っている。

登録情報

  • 文庫: 210ページ
  • 出版社: 岩波書店; 改版 (1967/1/16)
  • ISBN-10: 400336015X
  • ISBN-13: 978-4003360156
  • 発売日: 1967/1/16
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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26 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 涌太郎 トップ500レビュアー
このパイドロスは、プラトンの著作の中で最も重要なものである。
田中美知太郎氏は、プラトンは最も大事なことはどの著作にも記してないといっている、と語っているが
このパイドロスから推測することは十分可能であると思う。

なにか新しいことを知ったといっても知識が一つ増えるだけであり、新しい発見など何もない。
その意味で、世に知識人とかインテリとか言われている人間は、智慧の「ち」の字もない。
そんな人間が慢じた姿で闊歩し、世の中でも尊ばれているのが古代ギリシャから変わらぬ真実である。
雄弁は説得のためのものであり、ディベートに至ってはいいくるめの術である。

信じ合っている物同士、愛し合っている物同士が心を開いて対話する、
その対話の中に閃光のように智慧がひらめく。

問いを発し、それに答えるこの対話はまた、自分一人でもできる。
自問自答である。

これが哲学と言うことであり、智慧を愛するということであり、よりよく生きるということである。

その模範、精髄をここに我々は見ることができる。
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32 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
本質を掴む 2008/1/4
By raywayne トップ500レビュアー
プラトンの著作を読むならまず“ソクラテスの弁明”から入り、次にこの作品(あるいは“ゴルギアス”)をお勧めします。この作品は“国家”という超大作の後で、プラトンがもう一度シンプルに己の哲学の要諦をまとめ直している−という感じがします。

短い作品ながらも内容は充実しています。 “恋は、恋する人よりも恋される人のほうが得をするのだから(傷つきもしないし、それなりに楽しめるから)、そういう恋愛をすべきだ”という何やら現代社会でまかり通っている様なドライな恋愛論に対してソクラテスが反駁を試みる−という所から始まります。 プラトンの作品の卓抜な点は、四角張って倫理道徳を説く前にまず、全ての人が感じているこの世の矛盾にするどく切り込んでいくところにあります。 その突っ込みの大胆さにはワクワクする様なスリルがあります。 そしてその様な得だの損だのと言った技術論よりも、本当に物事の本質は何か−に思い至らなくては善い生活を送ることはできない−という基本的な主張に収斂していきます。 何やら精神論的な匂いが強くていやだ−という人も居るでしょうが、私は処世のテクニックばかりが云々される今日において、何をするにもやはり心構えとして持っていたい立派な人間の精神遺産だと思います。 読んでみてください。
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3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By cobo
ソクラテスという存在、プラトンという弟子、そしてアレクサンドロスの家庭教師の孫弟子アリストテレス、しかしその3人の著作を未だ読んだことが無く、その中で最も挑戦し易そうな作品だったので読んでみました。で、薄い本なのですが、いろいろ注釈が多く、読みやすいにも関わらず時間かかりました。しかし読んでよかったです。

パイドロスという人物とソクラテスがとても現代的(というか普遍的)テーマである「恋」について語り合うという作品です。ただそれだけなのに、その裏にある「弁論術」という、もっと言えば「真実」と「魂」というものについて語った作品です。導入はまさに自然でまるで童話のような自然さです。パイドロスとソクラテスが夏の日差しの中で出会い、その人柄を忍ばせつつ、パイドロスが設問し、それにソクラテスが答えつつ、議論を深めて行きます。

こうした2人による対話方式でのやりとりであるので分かりやすいうえに、なんと言いますか、ソクラテス、という存在そのものが面白く、そしてそのソクラテスが憑依するかのように話すその喩えが、また秀逸でした。もちろん神や魂やそしてその永遠性について、当時と今現在(あるいは個人的な認識でも構わないですけれど)では受け入れ方にかなりの違いがあるのでしょうけれど、それを差し引いても、比喩的表現と考えれば納得できる多神教の中での話しと、私は受け取りました。

「恋」に陥ってしまっているものとの関係について、恋されているものは恋しているものに理解を示すべきではないという論理的弁論術者の意見に対してのソクラテスの「神」の代弁としての反論、理性と人間の関係、2頭の馬の喩えの上手さ、とても面白く読みました。

しかし、中でも1番心に引っかかったのは「文字を学ぶことの弊害」という部分です。これはすさまじく凄い発言だと思いますし、ある意味真理でさえあると納得させられてしまいました。ここでの感想もそうなのですが、なんと言っても文字や言葉をよりよく操る為の、コミュニケーションスキルを訓練する為に始めた部分もあるものですから、結構ショックを受けました。

ソクラテス、に興味のある方にオススメ致します。
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