ダイエットを通じて友情を深めプロ顔負けの素人探偵振りを発揮して二度目の恋愛にも積極的に挑戦して行く図書館長ジェイムズを中心とする5人組デブ・ファイブの活躍を描く絶好調の第4弾です。前作「料理教室の探偵たち」でルーシーのクラブからの離脱ピンチというデブ・ファイブにとっての最大の試練をジェイムズの頑張りのお陰で無事に乗り越えられた流れを受けて本書の出だしは穏やかに始まるのですが、しかし順調なのはホンの束の間で、またもや思いも寄らぬ危機がメンバーを襲うのでした。
犯罪事件の解決ですっかり有名になったデブ・ファイブの5人にハドソンヴィル豚フェスティバルとバーベキュー・コンテストの審査員を務めて欲しいと依頼の手紙が届く。ジェイムズは新恋人の記者マーフィーと二人で休暇を過ごした最後に喧嘩してしまったり、最近図書館で不審な動きを見せる高校生グループの一件を心配したりしながらも、気分を変えて仲間達と初めての旅行に出掛けて行く。最初の豚コンテストの審査は無事に終えたが、続くバーベキュー・コンテストの優勝候補の男が変死する事件が起きて、何とデブ・ファイブの一員ジリアンが容疑者として逮捕されてしまう。やがて意外にも彼女と被害者との過去の接点が明らかになるのだった。
今回の事件では被害者が多くの人から嫌われ恨まれる人物で複数の殺害動機が考えられはする物の最終的な推理は捻りがなく現代社会が抱える極めてリアルな問題が描かれます。ミステリーとしての面白さが巻を重ねるにつれて段々と減って来ているのは少し寂しいですが、やはり本シリーズの魅力は何と言っても温かな愛を感じさせる人間ドラマにあるでしょう。ホテル経営者の美人母娘の仲違いと和解のドラマ、ジリアンの無実を信じて懸命に奮闘する仲間達の固い友情、被害者の恋人のチョイ悪娘が幸せな愛に目覚めるドラマ、クイズマニア・ベネットの新たな恋の始まり、ジェイムズの偏屈な父のおめでたい朗報、そして真打ちはジェイムズとルーシーの本命愛の復活と、例えて言えばまるで吉本新喜劇の大団円の様に全てが良い方向に向かって進んで行き、読んでいて心に大きな希望と勇気をもらえ力強く励まされます。推理小説としての興味は二の次にしても著者の優しい人柄を感じさせるこの温かな人間愛に満ちたドラマだけは毎回必ずや味わえる事と信じて、これからもシリーズを楽しみに愛読して行こうと思います。