1958年のチャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門で第8位に入賞したのが、このCDでピアノを弾いているダニエル・ポラックだ。優勝したヴァン・クライバーンと同門だったポラックは、ウィーンでブルーノ・ザイドルホーファーの薫陶を受け、シエナのグイド・アゴスティの門を叩き、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリのマスター・コースにも参加していた。
レコーディング業界的には、クライバーンの陰に隠れてしまった感があるものの、堅実にコンサート活動を重ねながら、教授活動にも熱心に取り組み、エリザベート国際音楽コンクール等、有名な国際コンクールに審査員として呼ばれるほどの実績を上げている。
バーバーのピアノ曲全集(未公刊のものは除く)の録音は、そんなポラックのピアニストとしての適応能力の高さを示す好適なアルバムと言える。
ホロヴィッツに献呈されたピアノ・ソナタを何程のこともなく平らげ、ブルースやジャズの語法を応用した小品では、茶目っ気たっぷりの演奏を聴かせる。
このピアニストであれば、もっといろんな作曲家の演奏を聴いてみたいと思わせられる。