今、マイブームでコーエン兄弟監督の作品をかたっぱしから観ているが、この作品はとてもコーエン兄弟らしい作品なのでコーエン入門したい人はここから始めてもいいかも。常連役者のフランシス・マクドナルドは相変わらず好演してます。これにスティーブ・ビュセミがでていれば完璧。でもそうなったらまるで「ファーゴ」と同じになっちゃうか。
普通の家族、普通の知り合いに見えて裏に潜む人間の性(さが)...この辺がコーエン兄弟のベースだと思うのだけれど、演技といいセリフといいなぜこんなに楽しませるのだろうと思うくらいおもしろい。
この作品はモノクロで、明らかにフィルム・ノワール系を気取っており、主人公ビリー・ジョブ・ソーントン演じるビル・クレインは、ただの雇われ理髪師なのにまるでフィリップ・マーロウのように人生を達観しており、普段は言葉少ないのにナレーションで渋い声で心中を語ってくれる。
ビル・クレインがあまりにも渋くて男っぽいからついつい気にならないけれど、実は彼の人生、ドジで最悪そのものだ。しかもどんどん最悪度が増していきラストの結末へ。
17歳のスカーレット・ヨハンセンがでてるのもいい。ガールのくせに落ち着いたセクシーさをかもしだすのはさすが。