出会いも別れも苦手だけど、一番面倒臭いのは再会なんじゃないかと思うことがある。好きだったバンドの再結成を100%喜べない人も少なくないだろう。重要な第一印象は既に済んでいる、別れる前のイメージも付きまとう。良くも悪くも、再会は過去を連れてくる。
「フォーク」で何か惜しいなと思いつつ別れて以来、久々にテレビから聞こえてきたスネオヘアーとの再会、「言いたいことはいつも」は実に爽やかだった。本当にあのスネオか?と疑うほどに爽やかすぎた。一応シングルはチェックしてたけど、久々にアルバム買ってみるかと思わされた。というわけで、「バースデー」を聴いてみた。
これは意図的なポップラブソングアルバムだ。スネオヘアーの表現欲求とは別に造られたみたいに感じる。要はちゃんとフィクションを主張しているのだ。
キーワードは「サヨナラ」、アルバムタイトルこっちのほうが良かったんじゃと思うくらい。愛の美しさとか淡い恋の魔法とかはない、光りあるポップソングにさえ影を見つけてしまう土俵際の煮え切りの悪さ、信じていたい夢や希望が持つ嘘臭さも残している。爽やかすぎたと思った「言いたいことはいつも」は静かなオリジナルバージョンもちゃっかり入っていたし、マイナーなメロディーも不機嫌なギターフレーズも御健在。自分にそう聞こえるだけかもしれないが、ああ、なんだ、やっぱりあのスネオじゃないかと思わされた。
あと「共犯者」が素晴らしい。初っ端からピークを向かえているような展開、十分ポップスターを名乗れる名曲だ。
スネオファンからしたら反応も別れそうだが、アーティストの情報を無視して作品のみ評価をしたなら、普通にいいアルバムだと思う。特にこのアルバムで出会った人は、ポップスとしてすんなり受け入れられるはず。そして自分も好きです。
渡辺さん、普通にいいですよ。