最初の印象は、絵、濃いなあというものでした。絵、きらきらしてます。登場人物の服装が例外なくごちゃごちゃしてます。黒のゴスロリスタイルの多いこと。(その分、絵の手抜きされているコマはありません)そんな絵で吸血鬼ものだなんていかにもこてこてなのに、・・・ギャグなんです。
訂正、ギャグも面白いんです。物語は退魔師によって封印されていた吸血貴公子ギルナザン(男性)がその退魔師の子孫の手によって蘇るところから始まります。ところが蘇った先はたいそうかわいらしい少女型蝋人形の中!魔力も封じられ、魔法を使おうとするとお菓子と花しか出せません。ヨーロッパに名を馳せた強力な吸血鬼だったはずなのに、退魔師のメイドとして掃除とか買い物とかこきつかわれつつ、人形のモデルとなった退魔師の心優しい妹やら、やはり蘇ったかつてのしもべの蝙蝠やら、エセ悪役な退魔師の兄やら、年老いることのない人形師やら人間の邪気を吸う魔物やらと出会い、他者と関わりながら生きていく楽しさを知っていきます。新しいキャラに対して1話から3話ほどで話がまとまっていて、どれも濃い絵とは裏腹に楽しいギャグを交え、温かみのある物語になっています。主人公も、吸血鬼のクセに前向きでいいやつです。安心して読める作品でした。
星をひとつ減らしたのは、最後の話に、もう少しページがほしかったなあと思ったからです。おそらく作者の方の描きたかったことは描いたのでしょうが、いつものようにしっかりと描き込んでほしかったのです。いそいでばたばたと終わってしまったというほどではないですが、少し寂しかったです。でもきれいに完結した、読後感の良い話ですよ♪