古今東西のポップス/ロック系のバンド(二人以上の集団)の活動の終わり方に
言及した書籍です。
但し、当事者への取材などは一切なく、記載されているのは当時の報道やメディア
に掲載された発言や見聞、いくばくかの憶測に終始しており、「真実を知りたい」
という欲求には応えられないものです。
これを「単なる受け売り」「甘い」と批判するのは簡単でしょうが、個人的には
これで正解と考えています。だって、(例えが極端ですが)身近な夫婦が離婚した
として、その理由を当事者に詳細に聞いても、そこから真実は掴めないでしょうから。
そう思えば、本書のように過度な思い入れや、新たな取材による事実の歪曲
(あるいは美化)のリスクを排除して、「公式見解」的な記録を図鑑のように並べた
ことは正解だったのではないでしょうか。
多くの場合、バンド結成の経緯については明快に事実が語られ、記録も残されます
が、活動終了の経緯は素人目にも胡散臭い美談に彩られます。
でも、円満な活動終了などということは少なく、様々な理由によるそれぞれの
「人間関係の力学」の変化によることが多いようです。分かったような分からない
ような言い方ですが、あえて第三者の目線でそれに迫ろうと試みるのが本書の
真骨頂でしょうか。
また、趣味で始めた筈の音楽活動も、その成り行き次第では周囲の、時には自らの
心身に影を落とすこともあるようです。同じようなことは、音楽活動に限らず世の中の
「集団」すべてに往々にして起こりうること。
社会学的に大上段に論じてはいませんが、「組織の終わり方」「破滅の経緯」に
ついて、本書は理解の一助になると思います。
この手の書籍は、大人の事情によっていつの間にか回収されていたりすることが
多いので、興味がある方は販売されている内に購入しておいた方がいいかも
しれません。
個人的には、さらなる内容の充実やアップデートを行って、定期的に改訂してほしい
ところです。