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今尚強い差別を受け、苦しい生活に喘ぎながら暮らしている
ロマ(ジプシー)の人々。ルーマニアの外れにあるクレジャニ村も
そんな日々の生活にも困り果てた人々の住む貧しき寒村である。
そんな寒村から自ら義賊集団と名乗るタラフ・ドゥ・ハイドゥークス
は生まれた。クレジャニ村が生んだ偉大なるロマのバンドである。
結成10年を迎え本国ルーマニアの首都ブカレストで開かれた
ライブにはマケドニアを代表するコチャニ・オーケスター、
ブルガリア人クラリネット奏者フィリップ・シメオノフと、
トルコ人ダルブッカ奏者タリク・テュイシュゾォルが招かれた。
欧州圏のロマとイスラム圏のロマの夢の共演である。
弦楽器と蛇腹楽器が中心でリズム楽器が少ない編成の
タラフ・ドゥ・ハイドゥークスにダルブッカが加わった影響は大きい。
いつにも増して音がアグレッシブで厚みが出てきた感がある。
更に2曲目「トルコ風」ではダルブッカソロも聴く事が出来る。
タラフ・ドゥ・ハイドゥークスの旋律が消えたと思った瞬間
激しいダルブッカのソロが始まる。息をするのも忘れてしまう。
曲によってメンバー構成が代わるのはタラフ・ドゥ・ハイドゥークス
の特徴だが、今回もそれが良い形で出ている。
スローテンポの曲にはニコラエ・ネアクシュ等を筆頭に高齢組が、
アップテンポの曲はカリウを始めとした超絶技巧のテクニシャンが。
なんという音だろう。ジョニー・デップが惚れ込むのもうなずける。
ジョニー・デップはタラフ・ドゥ・ハイドゥークスを自分の経営する
クラブに高額のギャラで出演させたり、「ザ・マン・フー・クライド」
(映画)に共演させ、演奏まで披露させたりもしている。
しかし、激しくも熱い演奏が繰り広げられているなかで、
そのバックグラウンドにはロマに対する差別が今も根付いている。
様々な葛藤が音という形で還元されたものを聴いているのだ。
そのことを忘れてはならないだろう。この音の意味するものとは。
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