大統領を警護するシークレットサービスを演じるデニス・クエイドの主演映画。スペインで大統領の狙撃事件が発生する。映画の前半は、その謎を多くの視点から何度も繰り返し見ることで、事件の裏にさらに裏があることがわかってくるという推理映画仕立てとなっている。後半は解かれた謎を解決するクライマックスとなり、犯人との壮絶なアクションが展開される。
本作品の前半は同じシーンをアングルを変えてみることで、他の視点からは見えなかった事件の裏側が少しずつわかってくるという謎解きになっている。事件には事件を防ぐ側と起こす側のトリックが複雑に交錯しているが、反復して見せることで誰もが容易に理解できる仕組みだ。多くのミステリー作品は巧妙なトリックがあっても内容をすべて理解することは困難であるが、本作品はその問題点を見事に解決している。この編集はクリストファー・ノーラン監督の『メメント』に似ているが、こちらの方がはるかに明快である。
後半は一転して犯人を追うカーチェイスアクションとなるが、従来の作品と比較しても見劣らないスピード感で見応え十分。ロケ地としてスペインが選ばれたのはこの臨場感を演出するためであろう。また、作品全体を通して、主人公であるシークレットサービスの生き様が伝わってくる演出になっていて、これが作品のテーマともなっている。
あっという間の90分で見終わってすっきりするアトラクションのような作品。暗殺事件でなぜすっきりするかは見ればわかる。値段分の価値は十分で星5つでいいと思う。