フランスの現代詩人イヴ・ボヌフォワがバロックの根源に迫った著作。
1630年のローマという転回点を基礎に据え、ルネサンスからバロックへの芸術概念の変遷を取り上げている。ベルニーニとプッサンが主たる対象であり、彼等と周囲の芸術家の作品分析を通して、考察が進められていく。ボヌフォワによれば従来のキリスト教世界やルネサンスを規定するのは「概念」であったという。それがバロックにいたって「現前」に変化する。現前とはすなわち表現者・鑑賞者の内的世界のあらわれであり、構築的で規制的な世界観とは位相を異にする。たぶん、そんな感じだろうと思う。
きわめて詩的な文章で綴られており、内容云々よりも表現の巧みさを鑑賞すべき一冊。