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バルチック艦隊―日本海海戦までの航跡 (中公新書)
 
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バルチック艦隊―日本海海戦までの航跡 (中公新書) [新書]

大江 志乃夫
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

内陸の帝国ロシアはバルト海のムルマンスク以外軍港に恵まれなかった。しかも極北の不凍港へは長い鉄道が必要だった。帝国はバルチック艦隊創設とともにシベリア政略を推進、極東への展開を目論むが新興海軍国日本との争いとなる。日露戦争である。要衝旅順を確保すべくバルチック艦隊は長い遠征の末、待ち構えていた日本海軍と衝突し潰滅する。だがこの日本海海戦は、その後の日本海軍に虚構に満ちた海戦伝説を生むことになる。

登録情報

  • 新書: 256ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (1999/05)
  • ISBN-10: 412101474X
  • ISBN-13: 978-4121014740
  • 発売日: 1999/05
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By 楡岡
形式:新書
 このタイトルからだと、日本海海戦に臨む際のバルチック艦隊事情を紹介するものと思ってしまう。ところが、本書が記述するのはピョートル大帝以前にさかのぼるロシアの海洋政策の歴史だ。その歴史から生まれたバルチック艦隊は、日本海海戦のはるか前から存在し、日本海海戦でその歴史を閉じる。バルチック艦隊の敗北は、歴史的必然性を帯びていることが読み取れる。
 日本海海戦の詳細な経緯への期待を強く持って本書を開いた意味では、タイトルに裏切られたとの思いがあるが、海洋政策から見たロシアの小史として興味深く読んだ。エカテリーナ二世やアレクサンドル一世の統治下がロシアの膨張期であり、ナポレオン戦争とのかかわりもあって活気のある時代だと思うようになった。
 ヨーロッパの辺境にあって、アジアとも深く交わり、やがては社会主義革命を迎える、入り組んだロシアの歴史を知る意味で得るところが多かった。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By lm700j
形式:新書
ロマノフ朝の真ん中当たりから近代化しようと迷走する帝国の姿を描き
その中でバルチック艦隊とシベリア鉄道という二つの成果が得られた
バルチック艦隊に対してはそれを支える港湾と鉄道が整備された
もう一つの成果であるシベリア鉄道と東への進出は日本との軋轢を生み
一つの成果が招いた戦争でもう一つの成果が壊滅する、という皮肉な結果を生んだ
日本海海戦の大勝利は日本海軍を錯覚に陥らせ、太平洋戦争に突入し
やがては大日本帝国を崩壊へと追い込んでいく
この二つの帝国の存亡にある種の相似性があるといえるのかもしれない
つうかこれで新書一冊にまとまっている、というのがすごい
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
対馬沖海鮮の敗因を遡れば、ロシア本国艦隊根拠地をバルト海沿岸のリバウとするか、北極海のムルマンスクにするかの決定に遡るという指摘は非常に鋭いものがある。大蔵大臣ヴィッテの奏上が実らず、リバウを母校とすることが決定されたことで、本国艦隊はバルト海から大西洋沿岸を想定戦域とする近海艦隊として建造せざるをえなくなり、また、太平洋正面では本国艦隊との連絡が不可能となって戦力が分割使用されることになった。もしもムルマンスクを母校としていれば、ロシア本国艦隊は外洋艦隊として作られ、太平洋艦隊を別に作る必要はなかったであろう。
ただし、この著者はロシア国内の事情を細かに書きすぎて、海軍戦略から横道にそれている観がある。
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