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バルタザールどこへ行く [DVD]
 
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バルタザールどこへ行く [DVD]

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登録情報

  • 出演: アンヌ・ヴィアゼムスキー, ヴァルテル・グリーン, フランソワ・ラファルジュ, ジャン=クロード・ギルベール
  • 監督: ロベール・ブレッソン
  • 形式: Black & White, Widescreen
  • 言語 フランス語
  • 字幕: 日本語
  • リージョンコード: リージョン2 (このDVDは、他の国では再生できない可能性があります。詳細についてはこちらをご覧ください DVDの仕様。)
  • 画面サイズ: 1.78:1
  • ディスク枚数: 1
  • 販売元: 紀伊國屋書店
  • DVD発売日: 2010/03/27
  • 時間: 95 分
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
  • ASIN: B003206BKI
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: DVD - 57,641位 (DVDのベストセラーを見る)
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商品の説明

内容紹介

ブレッソンが自ら台本を書き下ろした現代の寓話。
無垢なロバと少女マリーの残酷な運命を描く。

ロベール・ブレッソンが、非情な男たちの悪意に傷つけられる若い女性マリーと彼女の愛するロバの数奇な運命を描いた異色作。
構想は、ドストエフスキーの長編小説『白痴』のある挿話から得た。原語では韻を踏む題名「あてどなく(るびオ・アザール)バルタザール」は、新約聖書に出てくる三博士の一人バルタザール王の末裔と称する中世に権勢をふるったレ・ボー家領主の銘に由来する。
ブレッソンは、まず積年の企画『湖のランスロ』の製作を希望したが製作費が高すぎるため本作に変更、1年をかけ脚本を書き上げた。
製作を請け負ったのは、アナトール・ドールマンと、『シェルブールの雨傘』で成功を収めた製作者マグ・ボダールだが、さらにスウェーデン映画協会及びスヴェンスク・フィルムインドゥストリ社との合作映画となった。
マリー役には当初別の女性が決まっていたが、『ジャンヌ・ダルク裁判』に主演したフロランス・ドゥレの紹介により、ロシア貴族の娘で、当時17歳のアンヌ・ヴィアゼムスキーが起用された。
製作条件からスウェーデン人俳優の出演が要請されたため、『スリ』の出演者マリカ・グリーンの弟ヴァルテル・グリーンほかが出演。
浮浪者アルノルド役のジャン=クロード・ギルベールは、この映画の助監督でアルメニア系の極左活動家ジャック・ケバディアンの知人のアナキスト。
このほか、高名な作家のピエール・クロソウスキーも吝嗇な穀物商人の役で出演している。

内容(「キネマ旬報社」データベースより)

ひとりの女性と1頭のロバの運命を描いたブレッソン監督の異色作。ロバのバルタザールは仲良しの少女・マリーと離れ、過酷な労働に使われることになる。10年後に逃げ出した彼は美しく成長したマリーと再会するが、そこにジェラールという男が現れ…。

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ロベール・ブレッソン、本当に奇妙な映画を撮る監督だ。登場人物には全く感情移入できない。ただ暗い画面が続いていく陰鬱な映画である。葛藤を描いた人間ドラマではなく、人間の愚かさをロバの目を通して淡々と隠喩的に描いている。ただあまりも哀しくやりきれない映画だ。

主役はロバのバルタザールである。哀れで寡黙なロバの受難劇。キリスト教的色彩が濃い映画だ。欲望や過ちや暴力や罪など人間の愚行を黙って見つめ続ける愚鈍なるロバの目。ロバは何も出来ないでただ見つめるだけ。その哀れな無垢なるロバの目が、人間の振る舞いを逆照射する。

まだ小さいバルタザールと戯れる子ども達の幸福な映像から始まるこの映画、数年後バルタザールは、重い荷物を運ばされ、ムチで叩かれ、人間のために働き続ける過酷な現実が描かれる。少女に可愛いがられると花で飾られもするが、しっぽを焼かれたり、椅子を投げられたりして、虐待のように苛められたりもする。サーカスでは計算できるロバとして見世物にされ、病気になって殺されそうになったりしつつ、人から人へ飼主が移り代わりながら、最後は静かに羊の群れの中で眠るように死んでいく。バルタザールを通して、描かれるのはさまざまな人間たちの方だ。

バルタザールとは聖書に出てくる名前で、キリスト誕生時に馬小屋に訪れた、東方の三博士(メルキオール、バルタザール、カスパール)の一人だそうで、バルタザールは“善行”の象徴とされるのだそうだ。

動物を映画に使っているので、どうしてもモンタージュを駆使して作為的にカットを編集し、物語を作っていく。全体としては計算されつくした映画という印象がある。だけど詳しい説明はいつものように描かれない。シューベルトのピアノソナタの音楽が使われているが、物語は盛り上がらない。淡々とエピソードがロバを通してつなげられていくだけだ。お金を通じて、人から人へ話が移り変わっていく『ラルジャン』と同じ構造だ。

バルタザールを可愛がるマリーを演じるのは、後にゴダールの妻となるアンヌ・ビアゼムスキーだ。幼く純真なマリーとジャックの幼き恋と小さなロバのバルタザール。幸福なる時代から一転、バルタザールの受難が始まる。ジェラールという悪ガキの登場とともに、嫉妬で苛められたりして受難はエスカレートしていく。最初はバルダザールのまわりを回りながら、ジェラールから逃げ回っていたマリーだが、次第にジェラールと恋仲になって変わっていく。バルダザールのことをいつしか見向きもしなくなる。その変わり方が、なんの心理描写もないままに淡々と描かれる。人間はどこかでそういうわからないものなのだ。安易な心理描写で、わかりやすい物語にしないのが、この監督の凄いところだ。最後は、マリーは初恋のジャックの元へ戻るのだが、ジェラールとの決着をつけに行くと、裸にされて辱めを受けてしまう。そしてマリーは傷心のうちに町を去っていくのがなんともいやるせない。ただ、窓から見えるマリーの裸のバックショットはせつないほど美しいのだ。

やや何度も挿入されるロバの目が映像の作為性を感じさせ、ロベッソンの他の作品に比べて意味性(寓意性)が強く出た印象がある。ただアンヌ・ビアゼムスキーの美しい無表情さがいい。

『少女ムシェット』と比べてみると、2作とも少女の描かれ方がとても性的なのに気づく。『抵抗』や『スリ』が寡黙な男たちの自意識の映画だったのに比べると、この少女を描いた2作は、少女が女へと変わっていく様子がとても辛辣であり、なまめかしいほどに性的なのだ。それはロベール・ブレッソンが男の視線から女を冷徹に見つめた映画監督であることを示している。そういう意味で、この映画はアンヌ・ビアゼムスキーの変化を見る上でも、ただならぬ映画である。
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