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バラとゆびわ (岩波少年文庫)
 
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バラとゆびわ (岩波少年文庫) [単行本]

サッカレイ , 岡部 一彦 , 刈田 元司
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

パフラゴニアのギグリオ王子は、たいへんなお人よし。ポケットにお金さえあれば、たとえ王冠を失っても気にしない。王子はいとこのアンジェリカ姫に夢中になるのですが、それは姫がつけている魔法のゆびわのためなのでした……。19世紀イギリスを代表する作家サッカレイが少年少女のために書いた、風刺のきいたおとぎ話。

登録情報

  • 単行本: 212ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1952/12/15)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 400112047X
  • ISBN-13: 978-4001120479
  • 発売日: 1952/12/15
  • 商品の寸法: 17.2 x 11.4 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By ロビン トップ1000レビュアー
 小説『虚栄の市』で有名な、19世紀イギリスで活躍した作家・サッカレ−の書いた児童文学作品です。
 私は『虚栄の市』を数年前に購入済みであるものの、今もって積ん読の状態(岩波文庫版で1冊400ページ×4冊の大著なのでなかなか読み出す勇気が出ない)。最近購入したこの『バラとゆびわ』を先に読む形になってしまいました。
 一読して、『虚栄の市』をとっとと読んでいなかったことを悔いました。これだけの技量を持つ作家の作品が名作でない筈がない。

 本作『バラとゆびわ』は、ある架空の王国が舞台のお伽噺風ファンタジー作品です。不思議な力を持った「バラ」と「ゆびわ」がキーとなって王宮の人々を振り回していきます。その辺りの雰囲気はシェークスピアの『真夏の夜の夢』的なおかしさをイメージしていただければ、伝わりやすいでしょうか。
 サッカレーはイギリス人といっても現実的で人間の性格を冷酷なまでに抉り出し、風刺や皮肉が底辺に流れる類の作品を容赦なく書く、モームのようなタイプなのかな・・バリーやマクドナルドやディケンズのように妖精やゴブリンが顔を出す優しくて楽しい空想物語を書く作家とはちょっと違うのかな、という私の思い込みは、約3分の1ほど間違いでした(微妙な数字ですみません)。
 本作には、紛れもなくイギリス伝統の豊かな空想の血が流れています。彼は子どもを愛し、空想の価値を理解する心あたたかい作家なのでした。
 ただ豊かな空想の世界の中で、ヒヤリとする位に上手く考えられた巧みで周到な構成と話運び(話の先が読める読めないということとは別に)、社会の俗っぽく馬鹿馬鹿しい通念に対する風刺が非常に鋭く光っています。やはり現実的で社会派という性格は、サッカレーの作家的個性なのだろうと思いました。そういう意味では、この本に込められた意味を、子どもは大人になってから理解するということが多いかもしれません。
 人間のもつ弱点や醜さ、また美徳を、易しい文章で、優れた洞察力と表現力をもって見事に映し出しているのも流石の一言。人間スケッチとしても優れているわけです。更に、「幸福」を手に入れることが出来るのは何を持った人間なのか、という事についてのサッカレーの考えも物語からしっかり読み取れるようになっています。

 いや、本当に上手いです。唸らされます。「児童文学」としてならもっと優れた作品はあるでしょうが、サッカレーは一作家として真実力のある方だと改めて痛感させられました。

 大作家・サッカレーへの入り口としてもお勧めです。ぜひ。 
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文豪サッカレーが、1853年の十二夜のパーティーで、知り合いの子供たちのために作った絵話だということです。

黒杖とよばれる大魔女は、ずいぶん多くの王子様やお姫様たちの名づけ親をつとめ、お祝いに魔法の品をプレゼントしてきたのですが、名づけ子たちの愚かさにうんざりしてしまいました。そしてパフラゴニアのギグリオ王子にも、クリム・タタリのロサルバ姫にも不幸しか与えませんでした。ギグリオ王子の従妹のアンジェリカ姫が生まれたときには、不幸をおそれた両親に締め出されたほどです。
そして、この子らが若者に成長したとき、奇想天外の恋と冒険の嵐が巻き起こるのでした。

1952年の古い岩波少年文庫の復刻です。原作のサッカレー自身による挿絵を、日本人の画家が描き写したという、やや風情に欠ける挿絵がついています。本文の書体は古めかしいですが、ひらがなが多く気軽な文体ですから現代の子供でも充分に楽しめるのではないでしょうか。

わくわくしながら笑って読めて、正義と努力の大切さが身に沁みる、素敵なおとぎ話です。
小学校中学年以上。
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