他の企業では類を見ないほどの規模と人気を誇るようになった
「世界一の投資家」ウォーレン・バフェット氏率いる
投資持ち株会社バークシャー・ハサウェイの株主総会。
過去のバフェット本ではあまりスポットライトが当てられてこなかった
同社の株主総会の様子を、
著者自らが参加した2007年と2008年の総会の体験を
臨場感そのままに描き出しています。
バークシャーの総会名物となっている質疑応答セッションで
株主からの質問に会長のバフェット氏と副会長のマンガー氏が答えていく様子を
まるでその場で聞いているかのように楽しめる構成になっています。
また読み物として楽しめるだけでなく、
これまでのバフェット本ではあまり取り上げられてこなかった
バークシャーの抱える問題にも疑問を投げかけています。
かつてバフェット氏自身が株主への手紙の中で、
「他の株主総会とは違い、つまらない質問や自己中心的な批判などは
いまだ経験したことがありません。
出される質問はビジネスに関する多岐にわたる思慮深いものばかりです」
と評した同社の株主総会は、
いまやバフェット氏見たさや、同氏に教えを授かりたい者達の集まりになっていて、
同社の事業に関する質問は著者が参加した2年間でも数えるほどしか出なかったといいます。
また、バークシャーのかつて高い収益を誇っていた子会社の中には
成長を遂げられず逆に時代の変化とともに衰退していったものも多くあり、
バークシャーが子会社から収益を吸い上げすぎているのでは、といった懸念や、
バークシャーがあまりにもバフェット氏に依存している現状から、
同氏が去った後の同社の行く末にも懸念を投げかけています。
バフェット氏とバークシャーの良い点を褒めちぎるばかりではなく、
負の側面にも光を当てて問題提起したという意味では、
数あるバフェット本の中でも高評価に値すると思いました。