Dan Koeppelの『Banana: the fate of the fruit that changed the world』(2008年)の翻訳。
著者は科学ライター。
バナナの病気について書かれた本である。一般に食用とされているバナナは種をつくらないため、すべてクローニングで増やしている。そのため遺伝的には世界中のバナナが同一となり、つまり病気に弱いことになる。実際、今世紀の初め頃に当時の中心品種が壊滅したことがある。そして現在もまた同様の危機にさらされているのである。
そのあたりの仕組み、現状、対抗策、未来予測が、詳しく解説される。科学的な知識についても噛み砕いて説明してくれるので、とてもわかりやすい。それにしても、バナナがもうすぐ食べられなくなるかも知れないような状態にあるとは知らなかった。
中米諸国でのバナナ会社による搾取の歴史についても詳述されている。
訳文はこなれていて非常に読みやすい。