結局、ジャズピアノ作品をずっとあさっていくと、この一枚の持つ意味が明確になってくる気
がする。僕にとって、バド・パウエルの魅力は一体何だろう?とフト考えたときに、一番最初
に来るのはきっと誠実さだろうなぁ〜と。。あくまでピアノ・トリオ形式で表現できる最高の
モノを聴かせてくれるその姿勢が誠実だと。
彼の後続に続く流れは明らかに変に自己主張が強い訳で、、それもそうだが元々優れたピアニ
ストは大抵ワンマンタイプだからなぁ。。
僕にとって、最高にスウィンギーで心地いいプレイヤーは他にいるし、テクニシャンも他にい
る、、抒情的な広がりを表現するプレイヤーも別にいるし、、、インスピレーションをかきた
ててくれるピアニストも他に沢山いる、、、、。でも結局一番自然でいつも「そこ」にいてく
れるのがバド・パウエルのトリオ演奏な気がするね。その誠実さが泣けると思う。
だからここでも僕はアップテンポの曲よりは「I Should Care」みたいなミディアムテンポの
曲の方が好きだし、そっちの方がバドの魅力がでてるきがする。
2つのセッション収録だが、僕は前半SIDE 1が好きですね。カーリー・ラッセルのムードづく
りなんかは天下一品だと思う。
この1947年の初リーダー録音で、ある意味だしつくした感があって、その後の彼は心身ともに
削るようにして活動する訳ですが、きっと薬やアルコールに溺れて、精神がイカれていく過程
は、彼の性格が享楽的なんじゃなくて、むしろ逆で、糞真面目の裏返し、それゆえ時代の波に
乗れないもどかしさがあったんじゃないかと個人的には思いますね。それぐらいこの一枚で
すでに完成されているんです。
だが誰の言葉か知らないが「芸術は長く人生は短し」とあるように、極端に先細りしたその
人生とは反対に、彼の作品はこれからもずっと多くの人を感動させるんだろう。