本作はとかく「暴力的」「性的」なシーンが問題とされ、R−15指定がなされたりしている。
私はR−15指定は悪いことではないとも思う。確かにそれほどに本作は描写が過激である。
コミック版は暴力、性描写がドラマと比べても激しい。しかしそれで敬遠するのはあまりにも勿体無い。
女性には辛いかもしれないが、男性だったら読むべきだと思う。
と、いうのも「殺し合い」という究極状態だからこそ人間の心の奥底がいやおう無く現れるからだ。
極限状態で「発狂」する者、「自殺」する者、「殺人」する者、「相互援助」する者、「希望」を抱く者、まさしく千差万別である。
1巻、2巻、3巻、あたりは「暴力」や「鬼畜」的な描写が続くのでうんざりしてくるかもしれない。
しかし後半、特に最後に近付くにつれて筆者の言いたいことがひしひしと伝わってくる。
14巻、15巻の2巻では桐山の驚くべき過去と七原の希望の心に涙が沢山流れたくらいだ。
(私が泣き虫な所があるからでもあるが)
中学生に殺し合いをさせる。しかし……中学生と言う「純粋」な年齢だからこそお互いの「本音」がぶつかり合う。
自分の気持ちに素直になれる。そういう意味では中学生であることに私は意義があると思う。
逆に私の様な大人が戦場に行ったらこれ程純粋にお互いの気持ちをぶつかり合える「ドラマ」は生まれないに違いない。
バトル・ロワイアルは過激作だ。しかしこの地球上ですら「バトル・ロワイアル」なのである。それは「弱肉強食」と言い換えても良い。
毎日、毎日、他の生物を「殺して食べている」のが私達である。
今朝だって他の生物を食べたし、明日だって他の生物を食べるのだろう。
人間同士ですら結局は「皆が幸福に」なれないのがこの世界である。
仕事だって配偶者選択だって結局は他の人間を「苦しめずには」成り立たない。
綺麗ごとでは済まされない人生。そして綺麗ごとではすまされない「弱肉強食」のこの世界。
長い人生のバトル・ロワイアルを非常なる短期間に凝縮した作品が本書である。
人生とは何かを本書から学んで欲しいし、本書はそれに堪える作品だと思う。