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19 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ソナタとパルティータ、ともに第2番が深い名演奏!,
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レビュー対象商品: バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(初回限定盤) (CD)
ギドン・クレーメル2度目の録音となるバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ全曲だ。非常に深刻で真摯な演奏である。 必要以上の歌を極力排除し、ヴィブラートなどの装飾性をおさえ、やや速めのスピードを保つ。 和音は荘厳に重く響き、ストレートにスリリングにエネルギーを放つ。 その集中力と息詰まるほどの濃い諸相は、ある意味現代ヴァイオリンによるこれらのバッハの作品の究極点的演奏といえる。 弓から弦に直接伝わる膂力は、そのまま力強くスピーカーを通して、聴き手にまっすぐ伝えられる。 オリジナル楽器により、典雅に軽快に奏されたシギスヴァルト・クイケンと対照的な演奏といっていいだろう。 さて、そのような演奏スタイルは、特にソナタ第2番とパルティータ第2番で成功しており、その深淵を覗くような鳥肌のたつ感じがある意味ヤミツキになりそうだ。 一方でソナタ第3番やパルティータ第3番のような華やかで、より古風な舞曲的作品では、やや作品との距離感に違和感を憶えるのも事実。これは仕方のないところか。
5つ星のうち 4.0
クレーメルがバッハに投影する世界観,
By とりけん (千葉県松戸市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(初回限定盤) (CD)
クレーメルの新しいバッハの録音。パッケージは原譜のものをデザインしたのか、ジャケットだけ見てもなかなかかっこいい。さて、内容はバッハといえども、そこはやはり孤高の芸術家クレーメル。独自の路線を行く彼だからこそ今回の録音を出来た、またこういった作品になったと言えます。有名な「シャコンヌ」はもとより、特に推したいのはソナタ第1番の「アダージョ」そして「フーガ」。フーガなどは特に色々なアプローチがある作品で、他の録音(メジャーなものはシェリングでしょうか。少しクセがあるものではシゲティなど。古楽器ならば寺神戸やレイチェル・ポッヂャーなどがあります)と比較対象してみるのも面白いと思います。クレーメルをもっと知りたい、そんな人に特にお薦めです。
23 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
世界が凍る、恐るべきシャコンヌ,
By 野火止林太郎 (大阪府) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ(初回限定盤) (CD)
クレーメル2度目の無伴奏全集ということだが、演奏スタイルはやはり、現代的なノンビブラート、呼吸の浅い、ロマン性を廃したアプローチ。現今このスタイルで聴く者の魂を震撼させることができるヴァイオリニストは一人クレーメルのみである。ハイフェッツ、シゲティ、オイストラフ、シェリング、そして鄭京和らの20世紀の巨匠の系列の中でも彼のみが全く特異な現代性を獲得していることに疑い得ない。 今回、このクレーメル盤を機に、シゲティ、シェリング、前橋汀子といった愛聴盤を取り出し、聴いてみたが、クレーメルの怖ろしいまでのテクニックと心を寒からしめる響きには心底撃たれた。そう撃たれたという感じがピッタリだ。 しかし、最も感動したのはと言えば、やはりシゲティである。「古い奴だとお思いでしょうが」と前置きして言うと、現代性、現代的とはクレーメルの場合、決して揶揄ではなく完全な褒め言葉なのだが、この現代性には非常に辛い、リアル過ぎるものが響いている。芸術家としての格は決して過去の巨匠に劣るものではない。しかし、これほど繰り返して聴くことに躊躇するバッハもない。そんな個人的な感想をもった。 アウシュビッツ後の芸術、超資本主義下の音楽・・・・・。 世界が凍っている。そんな演奏である。世評の高いポリーニなんて、到底このレヴェルには達していない。
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