1番から6番までで構成されるブランデンブルク協奏曲は、ブランデンブルク辺境伯クリスティアン・ルートヴィッヒに献呈した曲と言われている。辺境伯とは一体なんなんでしょう? と思い調べたら、ヨーロッパの地方を統治する貴族のことで、多くの権限を有する高い身分の貴族のことらしい。そういわれると、私のイメージとしては奥州藤原氏が頭の中には連想されますね。それはともかくとして、そのような実力と文化力を備えた貴族のイメージにぴったりの演奏をアーノンクールとコンツェントゥス・ムジクスが繰り広げている。彼らの徹底した当時の音楽を表現する真摯な探究と奏法が、かの地を統治した辺境伯の宮殿の一室での演奏を再現しているようだ。
CDは1番,2番,4番を所収したもう一つ別のCDがあり、どちらかで評価をすれば良いだが、3番と5番が所収の本CDで評価をさせて頂いた。ブランデンブルク協奏曲の原題は「種々の楽器のための6つの協奏曲」と言うが、まさに当時使われていた楽器が1番から6番でそれぞれ登場する。なかでも、5番はチェンバロが通奏低音としてではなく、ソロの目玉として大いに活躍する曲だ。ハッバはチェンバロ協奏曲生みの母(いや、父か?)で、このあとチェンバロ協奏曲を作曲して行くが、ある意味ブランデンブルク協奏曲第5番が世界初のチェンバロ協奏曲とも言われている。第5番がチェンバロ協奏曲なのに対して、第3番はある特定の楽器がソロで目立つ、ということがない曲だ。だから地味かというと、いえいえこれぞ辺境伯!(あくまで私のイメージ)というイメージの曲だ。第1楽章の初めの弦楽とチェンバロの上品で豪華な印象の前奏の後、バイオリン、ヴィオラ、チェロ(で良いだろうか?)の弦楽のアンサンブルが展開していき、実に味わい深い。テンポの速い第3楽章でも、アーティキュレーションが効いて、さすがです。うっとりします。
惜しいのは、コンツェントゥス・ムジクスの楽器の編成と奏者名がどこにも記載が無いこと。わたしには、この音色はヴィオラ ダ ガンバ・・・・とか聞き分ける耳は無いので、是非そういう情報も、廉価版でもきっちり載せて頂きたいと思います。