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8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
趣に富む見事な「フーガの技法」,
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レビュー対象商品: バッハ:フーガの技法 (CD)
バッハの「フーガの技法」は1749年から50年にかけて書かれた「未完の大作」であり、未完故に存命中に出版されることはなかった。完成部分は4曲のカノンと15曲のフーガからなっている。特定の楽器を想定しておらず、様々な解釈や編曲で演奏される。「音楽の捧げもの」の姉妹作と考えられる。「フーガの技法」はバッハの探求した対位法による芸術作品の究極ともいえる名品だ。もちろん未完であることは惜しまれてならないが、ここでエマールは筆の置かれた未完のフーガの最後の一音まで見事な演奏を示してくれる。 非常に落ち着いた音色から始まる。確実にしっかりと地に根ざしたテンポで堅実に音楽の伽藍を積み上げてゆく。様式性の高い楽曲では、その根拠となる付点等のリズムを明瞭に提示し、かつ滋味のある音色で深みを与える。再現される楽曲の一つ一つが趣き深く大切な価値を問いかけてくる。 以前、エマールの録音した近現代もの、そしてシューマンやドビュッシーにも感銘を受けたが、ここでエマールの表現技法の上でも、また新たな地平が拓けたように思える。エマール自身、解説でこの作品への思いが自分の中で長く蓄積されたものであり、グラモフォンとの契約を機にその思いを集中して取り組んだと述べていて、なるほど非常に説得力に富む名演である。録音も確かに柔らかめだけど、個人的には悪くないと思う。 78分以上に及ぶ対位法の世界の果て、突如歩んできた道路が足元から消えてしまうようにこのアルバムは終わる。だがそれが未完ゆえではなく、まるで必然の演出のようにさえ感じられる。演奏が終わったあとも頭の中で美しい楽曲が鳴り続けている・・・
16 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
新たに参入したバッハへの挑戦者,
By ノーツオンザロック (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: バッハ:フーガの技法 (CD)
ブーレーズが編成したアンテルコンテンポランの天才児ももはや熟年世代。メシアンやリゲティなどの現代曲のスペシャリストと鳴らした彼も、最近ではドビュッシーやベートーヴェンの正統派音楽でも素晴らしい演奏を聴かせてくれる。それが、ついにバッハ、しかも「フーガの技法」という尋常ならざる難曲に踏み込んできた。かのG・グールドもパイプオルガンで演奏しており、ピアノでの録音は高橋悠治ぐらいのもので、いかにチャレンジングなものかわかる。思えば、均衡と対称、構造主義の原点ともいうべきこの曲は、12音の新ウィーン楽派以降の現代音楽の本尊ともいえるのだから、エマールにふさわしい。事実、ノートでの対話では長い間気にかけてきた曲で満を持しての録音とのこと。なぞと不思議な音楽的情動に満ちた曲を、グランドピアノの技法の極致を尽くしての演奏は知的なスリルでいっぱい。何度も繰り返し聴いていきたい。 ドイツグラモフォン移籍後の初録音。エラート時代に比べてシャープさに欠ける音質なのはどうだろうか。バッハのポリフォニーにふさわしい音質かどうかは疑問。
18 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
1枚に詰め込み過ぎです…,
By 裸足めぐり♪ (大原美術館からチャリで10分) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: バッハ:フーガの技法 (CD)
13(15)の完成フーガと4つのカノン、それに未完成フーガも含めた、フーガの技法「全曲」を、モダンピアノの生理に逆らわずに弾くとなると、CD2枚になるのが普通です。例えば、私の手持ちのCDでいうと、コチシュ(一部ラドシュとのデュオ)、ソコロフ、ニコラーエワ、ヴィエル、コロリオフ、スウォペツキは、2枚組で出しています。 1枚ものはラウリアラと、陳必先(チェン・ピ=シエン)くらいでしょうか。 確かに、即物主義的な頑固さで全曲を貫けば、なんとか1枚に納まりますし、上の2人はこのスタイルの中で、成功していると思います。 しかし、当エマール盤は…コントラプンクトゥス1〜4と拡大カノンを標準的な範囲のテンポで、コントラプンクトゥス8をゆったりと弾いています。 これらのナンバーに関しての響きは、決して即物主義ではありません。 (また拡大カノン以外のカノンも、艶やかな極上のウィスキーの琥珀色を想わせる叙情的な響きがあります)。 1枚80分弱の制限時間のCD録音。上で挙げた曲を、標準〜緩やかに弾くためには、他のナンバーは駆け足ダッシュで弾かなければなりません。 エマールはバカテクの持ち主ですから、技術的にはクリアしています。 しかし、聴く方としては全く落ち着きません。 それにしてもホント、もの凄く落ち着きません。いったいこれは??? 速いテンポのせいだけではなさそうな…。 それもその筈、解説を見ると曲ごとに調律を微調整してるとのこと…。 あ、必ずしも、調律=音の高さを変える、ではありません。フェルト位置や鍵盤のアクションの深さ、ペダルのシフト位置等の調節・選択を含めた概念が調律です。 調律を変えたのなら、もう少し曲間のブレイクを空けて欲しいのですけど…。 エマールの弾く『フーガの技法』、TVで観た演奏が凄かったから、CDを買ってみたのですが、曲順構成を含めて、全く期待外れでした。
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