グールドが残した2つのゴールドベルクをひとつにした待望の企画です。1枚目は1955年のデビュー録音。2枚目は1981年の再録音。3枚目は再録音を語る晩年のティム・ペイジとのインタビューと旧録音のアウトテイク(初出!)で、特に後者だけでも買う価値あり。また再録音盤は、従来の(初期)デジタル録音ではなく、バックアップ用に残されていたアナログ・テープからの復元・再編集。天国のグールドの承認は得られないわけですが、当時の作業メモを用いてこれだけできればたいしたもので、あの名演を聴く(聴きくらべる)楽しみがさらに増えました。アナログソースから復元するなんて、デジタル技術が十分に発達した今だからこその挑戦なのですから、デジタルの可能性を求めていたグールド(デジタル時!代!!の入り口でこの世を去った)の意図にむしろかなっている、という見方もできるのでは?(^^)
1枚目にノイズのある輸入盤は、日本では店頭に並んだ直後に回収されたとか(某店の話)。わたしの輸入盤にはノイズないですよ。日本盤ももちろん大丈夫。で、日本盤は、まずブックレットが充実。ペイジの解説やグールド自筆のデビュー盤解説の全訳のほかに、3枚目のインタビューの全訳収録は予想どおり。さらにLP時代の擬似ステレオ盤や再録音盤のライナー全訳まで独自に加えているのには驚きました。野平一郎と宮沢淳一の解説もマル。新情報がてんこもりです。もっと驚いたのは3枚目のトラックが、輸入盤では2つだけ(インタビューとアウトテイク)だったのに、日本盤は、なにげに全部で22トラックに区切ってあ!!!るじゃないですか! 日本側制作者の熱意を感じさせます。あとは写真集の発売くらいで、パッとしない「没後20年」ですけど、グールドとゴールドベルクについて想いを新たにさせてくれたこのアルバムは「国内盤で買い」です!!