しゃんと背筋の伸びたたたずまいが好ましいヘルムート・ヴァルヒャのオルガン。その演奏から、こんこんと湧き上がるバッハの音楽の生命感が、よく伝わってきました。
なかでも、主題と20の変奏からなる「パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582」に感動したなあ。荘厳で、揺るぎない音楽が、まるで夜空の星々のようにちかちかと瞬き、めぐって行く様は、本当に素晴らしいものでした。
もう一曲、「トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV564」のトッカータの音楽も気に入りました。ここでは、バッハの軽やかな音楽の煌めきに酔いましたね。この曲には、ブゾーニのピアノ編曲版を弾いたホロヴィッツの演奏(1965年、カーネギー・ホールでのコンサート)もあって、それもいいんですよ。
録音データを記しておきます。
「BWV565」「BWV564」 1956年9月。 「BWV542」「BWV582」 1962年9月。 オランダ、アルクマール聖ラウレンス教会大オルガン
「BWV578」 1970年5月。 「BWV639」 1969年9月。 「BWV659」「BWV645」 1971年5月。 ストラスブール、サン・ピエール・ル・ジュヌ教会オルガン