この「PANORAMA」シリーズは、廉価2枚組で初心者にも聴きやすく、しかもよくある「名曲集」とは違い、抜粋ではなく全曲をきちんと収録していて、ある程度聴きこんだリスナーにも納得の内容で、大変おすすめです。
個人的には、ロマン派以降で個々の曲を買うほど関心がない作曲家の作品には、多くの発見がありました。
ただ、この「バッハ1」については、演奏があまり初心者向けとはいえません。
演奏者のゲーベルとムジカ・アンティクワ・ケルンは以前からの大ファンで、ビーバーのソナタ集、バッハのフーガの技法なども聴いていますが、さすがにこの演奏は速過ぎ、やりすぎのように思います。聴いている方もセカセカしてきそうです。
古楽系の演奏を聴いたことのない方が、いきなりこれを聴いて「古楽はがさつで繊細さがない」というイメージを持ってしまわないか、少々心配です。
古楽系でも、
レオンハルト や
コープマン などはもっと普通の速さで演奏しているので、これらの方がおすすめです。
また同じMAKのバッハでも、管弦楽組曲2番などは大変な名演で、大好きなだけに、ブランデンブルク協奏曲は、どうしてこうなった、と不思議です。
他の古楽器演奏を聴いたことのある方なら、こういうのもあり、過激、と楽しめますが、同曲を初めて聴く、古楽器による演奏を初めて聴く方には、あまりおすすめできません。
入門者を対象にしたこのシリーズには、あまりふさわしくない演奏というのが正直なところです。