「自分はちょっと映画が好き」程度の人なら、逆に観に行かないであろう邦画群を取り上げ続けたのには、意義があると思う。
それと、駄作が量産されてしまう日本の映画製作システムに触れているのも勉強になった。
一方で、果たしてそうした現状に教条的な批判が意味があるのかとも思ってしまう。なぜなら、そこには「どうでもいいものを送り手がつくり、受け手もどうでもいいと思って受け取っている」という不毛きわまりない図式があり、その構造自体をどうにかするのはかなりむずかしいと思われるからだ。
たとえば本書にはケータイ小説、あるいはケータイ小説的な物語が原作の映画が多数紹介されているが、それらの映画化がしょうもないのはむしろ当然であって、問題はその元となったケータイ小説がどうして安直でくだらないのに一定層に支持されているのか、ということだと思う。
本書にその解明の任はないにしても、映画マニアではないタイプの「観る側」が声を上げないとこれからも本書に取り上げられているようなどうしようもない映画はつくり続けられるのだろうな、と思った。