「オール・アバウト・マイ・マザー」
では女性の愛の深さと強さを
「トーク・トゥ・ハー」
では男性の視点からの愛の儚さと希望を、
それぞれ描いてきたペドロ・アルモドバル監督ですが、
この作品ではまた違ってほとんどが「男性」だけで構成されています。
ただ、いつも通りゲイであることが根底にはありますが。
これまで見てきた監督作の中で、一番サスペンス要素が強い作品。
解説には「監督の半自伝的作品」とあるので、実際にこんな経験を10歳でしてきたの?
と思わずにはいられませんが、
まぁ、そこは大いに脚色がなされていることでしょう。
それをさておいても、
男同士の愛と裏切り、別にこれが男女であってもいい。
だけど男同士であることが、倫理的にも、特に神学校で行われていた、ということが、
物語の業の深さを物語っていると思います。
そして俳優の演技力。
ガエル・ガルシア・ベルナルの、いわば一人三役の演技には脱帽です。
特にゲイ役はハマりすぎ。
確かに、「イグナシオ」として登場するときは、すこしふっくらとした体型。
でも、ゲイとしての「イグナシオ」はほっそりとして物凄くスレンダー。
役者としても力量がいかんなく発揮しています。
冒頭に「トーク・トゥ・ハー」の看護師役の男性もゲイで出演してたのには笑いましたが。
しかし、いつもながらペドロ・アルモドバル監督の作品は濃い。
作品を作るたびに濃くなってゆく。
そして作品もどんどん完成度が高くて、でもエンタテイメントとしての視点でも楽しめる。
とんでもない監督です。
本当に、凄い作品に出会ってしまいました。
満点しかないです。