このゴッサム・シティの様式美が「ダーク・デコ」と
呼ばれる様になって久しい。正確には、モダニズムと
アール・ヌーボーだろう。ブルース・ウエイン邸がゴシックだが、
ゴッサムにもゴシック様式が見られる。アール・ヌーボーは
キム・ベイジンガーのアパートメント・ハウス。ニコルソンの
演じるジョーカーのアジトが、アクシス化学の工場で、
ポスト・モダニズム。もう一つのポスト・モダンが
キートンとベイジンガーが「偽のデート」をする
グッゲンハイム美術館。また、バットマンの秘密基地が
バット・ケイヴと言う洞窟である。
ざっと、並べて見ると
洞窟住居−ゴシック−モダニズム・ヌーボー様式−ポスト・モダニズム
と為って
古代−中世・前近代−近代−超近代
といった所か。
ベイジンガーを始めとするゴッサム市民の様な「普通の人々」は
近代−前近代の「葛藤」の中に生きているのだが、
「イッチャッテいる」ジョーカーは、「ポストモダンの住人」であり、
二重生活を送るブルース・ウエインは、普段は「前近代の屋敷」と
「近代都市」を往復しているが、バットマンとしては
「古代住居の住人」。
従って、この物語は
古代VS超近代
の戦いの構図となり、近代・前近代の「葛藤・対立・相克」に
悩む人々の「埒外」で行われる「戦いの物語」となる。
ジョーカーにしろ、バットマンにしろ、「孤独なのは当然」である。