表題作はかの「サンドマン」の原作者であるニール・ゲイマンが手掛けているとのことで
大いに期待していたのですが、意表を付かれる展開に同作者独特のセリフ回し、幻想的なラストと
非常に面白く読むことができました。
バットマンの葬儀という衝撃的なシーンから始まり、
ジョーカーを初めとするヴィラン達がかけつけバットマンとの思い出を語っていくという
ある種冗談のような不思議な雰囲気の中物語は進んで行きます。
ここまで読んで読者の多くはよくある夢落ちだろうと予想すると思います、
たしかに本作は一種の夢落ちといえなくもないですが
バットマンというものを一人のヒーローではなく神話だととらえればどうでしょうか
アメコミのシステム上、バットマンは歴史と共にあります
多くのライターやアーティストが場合によっては相矛盾する様々な文脈の中でバットマンを描いてきました
バットマンとはそれぞれの文脈の中での一個人であると共に共通幻想でもあるのです。
そのように考えた場合本作はそういった構造を踏まえたメタフィクションであり
おそらくバットマンの熱心な読者ほど面白く読めると思います。
表題作意外にも3本の話が収録されており、カバーはあのアレックス・ロスが描いています
アラン・ムーアのスーパーマンの本と共にお勧めします。