バックラッシュはアホらしい。次なる局面へ! ではなぜ、アンバランスで喜劇的な泥仕合を展開するために、これだけの執筆者にお集まりいただいたのか。答えは簡単。「ジェンダーフリー自体は推進しないが、デマと不安ばかり拡大再生産するバックラッシュは、それ以上にアホらしい。そろそろネクスト・ステージ(次なる局面)へ」と宣言するために、である。
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141 人中、94人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
多様な選択の共存を肯定する、多様なスタンス,
By ビスケ (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: バックラッシュ! なぜジェンダーフリーは叩かれたのか? (単行本(ソフトカバー))
ここ数年、「ジェンダーフリー」という概念をめぐって数多の流言飛語が飛び交った。本書はそれら「ジェンダーフリー」へのバックラッシュを事例にしつつも、ただただ「ジェンダーフリー=男女同室着替え=共産主義の洗脳!」といった類のオカルト言説を批判する本ではなく、その手の言説が欲望しているものやバックラッシュから見えてくる時代背景、およびその付き合い方などについて考察するための多様なアプローチを惜しみなく提示してくれる。論争を意識した各執筆者の文章は非常にシャープにしあがっており、つわもの達が自らの腕っ節をこれでもかと見せ付けるかのようで、各著者の熱心な読者にとってもおそらくは刺激的な一冊となっている。かと思えば、なかなか語られることのない草の根的なフェミニズムの歴史が描かれていたり、アメリカの教育学者が最先端の教育について語っていたり、生物学者が「保守派」の似非科学を丁寧に検証していたりと、今後参照されるべき重要な資料も豊富に用意されている。また、論争を読み解くためのキーワード集が用意されていたりと、「ジェンダーフリー」自体にはあまり関心のない読者にとっても親切なつくりになっている。これはためらいなく「買い」だ。 ちょっと難点を言えば、これだけ濃厚な内容のため、二段組でも400ページというボリュームになっており、一般読者はちょっと手に取りにくいのではないか。また、編者による各論文の解題や、論争の年表などがあると、まとまりがあってよかったのではないかと思う。
98 人中、59人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ジェンダーフリーという概念をとおして、バックラッシュ現象の実像に迫る良書,
By すずき (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: バックラッシュ! なぜジェンダーフリーは叩かれたのか? (単行本(ソフトカバー))
女性学の専門家だけが集まって書かれたものではなく、さまざまな分野や職業の執筆者がひとつの問題について検討しているのが興味深い。各執筆者が「ジェンダーフリー」にむける眼差しは多様であり、本書がひとつの結論を出すために書かれていないように感じる。だが、それは本書が「ジェンダーフリー」に賛成でも反対でもない「第三の道」を探るための、道の途中で書かれたことを意味しているのであるから、当然のことであるともいえる。バーバラ・ヒューストンのインタビューとコメントは、日本における「ジェンダーフリー」という言葉の使われ方に再考を促すという意味で、たいへん貴重であろう。彼女の言葉を、「ジェンダーフリー」の推進派や否定派は、いったいどう受けとめるのであろうか。楽しみである。 分厚さと文字量からいっても、この本をこの価格で発売する出版社の姿勢には共感が持てる。
81 人中、47人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ジェンダーフリーについて学ぶために,
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レビュー対象商品: バックラッシュ! なぜジェンダーフリーは叩かれたのか? (単行本(ソフトカバー))
バックラッシュという単にアイデンティティのよすべを失い、不安に怯える人間たちがその不安を紛らわすために、敵を見つけだしては汚い言説を投げつける動きの一環として、その敵に選ばれたフェミニスト及びその反動に気持ち悪いものを感じる人たちがともに有効な対抗言説を編み出そうという一冊。バックラッシュがどうして起きたのかという思想背景から、ジェンダーフリーになげつけられる批判、誤解への反論、説明ととにかくいろいろな方向からボールを読者に投げかけています。結果、ジェンダーフリーがどういうものであるかというよりも、どういうものでないかということについて学ぶに手ごろな一冊になっています。 ただ、意欲的にもあまりにいろいろな面からの文章が並べ立てられているために、読後茫漠とした印象を抱かせる可能性を否めない。その点こそ綺麗ごとだけではなく目的のためには手段を選ばない、批判側の言説、運動に学ぶべきことではないか?せっかく執筆に上野教授が加わっているならば、東京都との闘いについてもっと生々しい情報を充実させた方が臨場感、そして書の内容に関する説得力をだせたように思われる。
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