HOW TOものの一種として書かれているので道具や最低限の技術・マナーの紹介が
半分くらいといったところ。そういった情報だけでなく筆者の経験から来る独自の工夫や、
野外活動における哲学、旅の味わいのようなものが随所で語られているので、読み物としての魅力もある程度在り。
またそういった文章も「自称アウトドア専門家」に多い独りよがりだったり押し付けがましく窮屈なものではなく、
平易で穏やかな論調であるところに好感が持てる。
最近多い、事実上アウトドアブランドのカタログ本にしかなっていないHOW TOものよりも
ずっと実際的な内容だと感じたし説明も親切で丁寧だが情報量としては不足気味、そして少し古い感がある。
HOW TO本のシリーズに含めるべきではない本かも知れない。
バックパッキングの旅を全く未経験で、これから始めようとする人にお勧めの内容だが
完全な初心者にはちょっと不十分な気もするし、かといってベテランバックパッカーは大抵が
それぞれに一家言あるので、そういった人が読むとすれば新たな情報的な発見も特に無さそうだし、
読み物としても食い足りないように思う。
少なくとも年に何度かバックパッキングの旅に出ている人であれば、ここで紹介されている道具・
技術に関する知識などはほとんど既に知っていることばかりで特に参考にはならないはず。
一回やってみたいけどどんなモンだろうなあ?と思っている人や、昔は野歩きを少し嗜んだけど
何年もやってない、その内また旅に出たいなあ…と思っている人などに向いているのではないか。
読んでいる内に野山へ出かけてみたい気持ちが盛り上がってくると思う。