日本中歩き回って撮り貯めた「バス停」の写真集。モデルがアイドルでもなく美しい風景という訳でもなく「バス停」というのが面白い。なんとなく、案山子の様に我慢強くじっと立ち尽くしている様にも見え、少し擬人化しても見える。
出てくるのは、バス停をめぐるありきたりの日常風景。普段の生活ではわざわざ注目するほどの意味もない風景なのだが、バス停の前で挨拶を交わす近所人達、のんびりバスを待つ老人、仲良し姉妹、犬、など日常生活の中で見過ごしがちな温かいシーンをひとつづつ丁寧に切り取っては集めた、と言う感じだ。
そして写真集全体に漂うのは、少し小気味良い感じの孤独感。一人旅の旅人独特の目線。
旅人になってみると、普段のなにげない自分の生活が実は温かさに包まれ、ほっこりとした幸せを醸し出すものだという事を再確認できる。