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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
パリ蜂起!,
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レビュー対象商品: バスティーユの陥落 (小説フランス革命 2) (単行本)
小説フランス革命シリーズの第2弾。いよいよ、1789年7月14日のバスティーユ襲撃が描かれる。主人公は、ミラボー、ロベスピエール、デムーラン。ダントンやマラーも登場するが脇役。今回の主人公は、デムーラン。実際のきっかけがどうだったかは知らないが、ミラボーにたきつけられてパリを蜂起させる。 しかし、面白い小説だ。もともと佐藤賢一は大好きだったけど、その中でもベストになるのではないか。人間臭いミラボーがとても魅力的だ。 3月には、第3弾として、『聖者の戦い』が出るらしいが、待ちきれない。小説すばるで連載されているというから、そっちを読んでしまおうか。でも、やっぱり単行本化を待つべきか。悩む。これぐらい待ち遠しい小説も久しぶりだ。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
パリ蜂起、バスティーユ陥落。そして革命は窯変する‥。,
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レビュー対象商品: バスティーユの陥落 (小説フランス革命 2) (単行本)
ミラボーに背中を押されてデムーランはアジ演説を打ち、パリは蜂起する。廃兵院から武器を手にいれ、バスティーユの陥落まではわずか2日の出来事。 そして8月の人権宣言の後の停滞。 ついに10月5日、パリの女たちがパンを求めてベルサイユの国王のもとに押しかけ、 あろうまいことか、ルイ16世をパリに拉致する。 何がどう動くか先の読めない革命のうねりは、憲法制定会議も軍隊も飛び越して、 つまり理屈でも権力でもなく、今日のパンを求める女たちによって新たな方向へと 回転する。 ただの偶然なのか、誰かが偶発の事件を利用したのか、ミラボーの予想に反して 進む革命の流れ。 めくるめく回天のフランス革命の序章をミラボーやデムーラン、デムーランの恋人 リシュルらを通して描く、第二巻。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
口火を切る勇気,
By 林田力 (hayariki.net) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: バスティーユの陥落 (小説フランス革命 2) (単行本)
本書(佐藤賢一『バスティーユの陥落 小説フランス革命II』集英社、2008年11月30日発行)はフランス革命を描いた歴史小説の2作目である。本書ではバスティーユ襲撃からヴェルサイユ行進までを扱う。前巻のミラボーやロベスピエールに加え、本書ではパリ市民に蜂起を促したデムーランがフィーチャーされる。著者の佐藤賢一氏は濃厚な性的表現が多いことで知られるが、これまでのところ「小説フランス革命」シリーズでは抑え気味である。しかし、ミラボーがデムーランを扇動するシーンなどで卑猥な表現が使われている(48頁)。性愛シーンでないにもかかわらず、性的な表現が盛り込まれているところに著者らしさが感じられる。著者の描く人間像は、人間が性の衝動(リビドー)に支配されていると主張するジークムント・フロイトの人間像を想起させる。 パリ市民の政治への不満は爆発寸前であったが、知識人は批判するだけで、自分からは行動しない臆病者ばかりであった。しかし、ミラボーに焚き付けられたデムーランは「武器をとれ」と扇動する。この演説が契機となって、パリ市民は武装闘争に突入する。 私は新築マンションで大手不動産会社と裁判闘争をした経験がある(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社、2009年)。裁判を続ける中で同種の被害に遭った被害者にも数多く出会った。その中には行動を起こす意思はなく、愚痴を聞いてくれる仲間が欲しいだけとしか考えられない人もいた。真剣に相談に乗った自分が馬鹿らしく感じられるほどであった。それ故に行動しない知識人に対するミラボーの失望には共感する。革命への口火を切ったデムーランの意義も高く評価する。 前半のバスティーユ襲撃は変革を求める男達の熱い情熱で突っ走る。デムーランの感情の揺れや興奮の高ぶりは滑らかな筆致で書かれ、読者の胸も高揚させる。ところが、封建的特権の廃止宣言や人権宣言では様相が異なる。理想の実現にまい進するロベスピエールと覚めた目で見守るミラボーを対比させているためである。ミラボーの冷ややかな姿勢のために、人類の金字塔とも言うべき人権宣言にも高揚する気持ち一辺倒で読み進めることはできなかった。 ミラボーは議会の独断専行の危険性を以下のように指摘する。「自らの保身に有利な法律ばかりを通過させて、実質的な特権を築き上げて、あれだけ貴族を責めながら、自らが新たな貴族と化すだけだ」(212頁)。これは世襲議員ばかりになった現代日本への痛烈な批判にもなる。 ヴェルサイユ行進では男性達(ミラボー、ロベスピエール、デムーラン)は傍観者に成り下がった。女性を中心としたパリ市民がヴェルサイユ宮殿まで行進し、フランス国王ルイ16世をパリに連行した事件である。この事件を本書では支離滅裂な女性達の行動の結果として描いている。混迷を深めるフランス革命の行方が気になる終わり方であった。
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