『狡猾なる死神よ』を注文するつもりで誤ってポチっちゃったのがこれです。
こういうファンタジー系の本はどちらかというと苦手でして、返品するのも面倒だからと読んだら、豈図らんやなかなか面白く、お気に入りの本になりました。
幼少時に家族を惨殺されたトラウマを克服して/するために安住の地を捨て復讐を試みる男。敵は魔術を駆使する残虐な王位簒奪者。しかしその長男はお馬鹿で次女は風船頭、恐るべきは怜悧な長女。地下で進行する王位転覆運動と共に、男の持つ不思議な力はこれに勝てるのか…
これって多分ありふれた設定なのでしょう。でもマキリップはそこからふた捻りくらいしてきます。大体復讐を試みるのが中年男であり、ギラギラした殺意を振りかざすことがなく、かなり内攻していきますし、敵方の長女の微妙な心理の動きがこれまた見事に描写されます。
これらのドラマを推進していく潤滑油になっているのがなんといっても音楽の存在。狂言回し的に動き回る人々の多くは音楽関係者(演奏家や作曲家)です。音楽ファンにもおすすめ。