ネットワーク・インフラの充実と参加者の増加を背景に、短時間に大規模の「感染」(要は、ビジネスの拡大)が可能になっているし、実際に起こっているという話である。
例に挙げられている企業は、有名どころでは、イーベイ、ペイパル、フリッカー、フェースブック、ユーチューブであり、技術としてはウエブメールである。
知らなかったことだらけの本であったが、興味深かったことをことを列記すれば、
・最初のウエブメール(hotmail)は、ジャバソフトの派生としてサビア・バティアとジャック・スミスにより生み出された(約4億ドルでマイクロソフトが買収)(第4章)。
・イーベイは、最初は、ピエール・オミダイアが1995年にHPに組み込んだ一つの機能に過ぎなかった。1998年に株式公開し、時価総額は19億ドル。インフラ整備が追いつかず、再三の休止に見舞われたが、ゲートウェー社からスカウトしたメイナード・ウェッブが危機を救った(この辺の話はおもしろい)(第7章)。
・ペイパル(マックス・レブチンなどが創業)はイーベイとは全く無関係の会社だが、安全確実な決済手段が必要だったイーベイのユーザーの増加とともに成長するという経過をたどり、最終的にはイーベイに買収された。当初は、厳しいセキュリティの用途がなく、企業にも関心を持たれなかった(第8章)。
・フリッカーはタグ機能で差別化。最終的には、ヤフーに買収された(第9章)。
バイラル・ビジネスの成功の条件としてあげられているのは(p.86)、1)ウエブベース、2)無料、3)情報統合化ツールの提供、4)コンセプトが単純、5)ループが自然発生的、6)成長が加速度的、7)バイラル係数が高い、8)成長率が予測可能、9)ネットワーク効果、10)相乗効果、などである。
最近、本を読んでの感想は結構似ていて、アメリカでの最近の起業は、まさに「革新的」なものが多い。しかし、なぜ、日本ではそういう革新的なビジネスモデルが出てこないのかは気になる。
アメリカでは、いざビジネスモデルを思いつくと、資金的なサポート、ITインフラが手厚く存在するという違いもあると思うが、それ以上の違いが何かあると感じる。
なお、「
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2010年 08月号 [雑誌]」は、「ツィッター時代の人脈力」という特集をしており、これも興味深く読んだ。