あまりにもタイムリーな、ブレイクタレントと
完全に一致するキャラである、繭美が主人公といっても
過言ではない、伊坂節作品。
白新高校の不知火、癌にかかってもガンバレ、
名刺切らしてます・・・。
相変わらず、うまさが突出している。
星野の設定も、決して悪人でもなく、
成り行きと、関わる人間に対する
愛情がかえって「本当の優しさ」と反比例
してしまうところがにくい。
そして、マツコ、いや繭美の存在感。
現実と一緒で、繭美の言ってることって、
物事の真実をど真ん中から突いていて、
爽快感この上なし。
確かに非現実的で、めちゃくちゃなのだが、
対人関係・大人の事情から、ここまで
は出来ない・言えないことを代弁してくれる
設定は、事なかれ主義の現代の病巣への
挑戦状かな。
終盤での、繭美本人の生い立ちや内心を
のぞかせつつ、星野へのある種の愛情を感じさせる
くだりも、物語に深みを与えている。
だからこそ、5股になってしまうほど、魅力的
な星野のキャラにもすんなり納得できる。
男って、イケメンでも金持ちでもなく、
本音でぶつかってくるやつがもてるのだ。
ただ、最後の終わり方、タイトルレビューの
気持になるし、その後をいろいろと
想像してワクワクするのだが、「あのバス」
の正体や星野が乗らなければいけない理由を
書いてもらわなきゃ、話の本筋がブレたまま
で消化不良だな。
オマージュである、太宰作品も未完だし、
伊坂氏なりの解釈で、話のキモを決めたって
問題ないし・・。
「スランバー」のように、言わずもがなの
背景なら、放置でも読者が勝手に補完する
だろうから、キックがどうなったかは放置
でも、納得できるキモが欲しかった。