『バイアーノの修道院』主要部の「年代記」は16世紀末にイタリアで起きた実際の事件が元になっているとされる。この時代に貴族階級の親たちは、世襲財産の流出を食い止めて貴族間の寡頭競争に生き残るため、若い娘たちを修道院に押し込んだ。折しも旧教が課した宣誓の厳格な遵守政策のため修道院に監禁状態に置かれた若い修道女らは様々な形で反乱に及ぶ...
本書の解説には『バイアーノの修道院』が「知られざるスタンダールの匿名本」である という世界初の学説が展開されている。懐疑的な読者でもJ....C....oの加筆によって心理的な深みを増したストーリーや、注釈に増殖した逸話群に目を留めれば、すさまじい極限を生きるイタリア人たちに引きこまれるに違いない。
山本 明美
1951年名古屋市生まれ. 2007年京都大学大学院・人間・環境学博士号取得.神戸大学非常勤講師.国際高等研究所・研究プロジェクト「受容から創造へ」(2009-2011)参加研究者. 『H.B.』(国際スタンダール研究誌)書評員.
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