本書の特徴は、従来のように綿密な計画を立て、自己分析を行ったうえで行動するといった、「考えてから行動する」という順序を否定している点にある。キャリアを「チェンジ」するプロセスと、そこに働く心理を解明し、計画や考えることよりも、進化や行動を重視するアプローチが新鮮だ。また「人は数多くの将来の自己像を持つ」ものだというスタンスは、人生半ばでキャリア変え、アイデンティティーを構築し直す後ろめたさや敗北感から解き放ってくれる。
さらに本書では、過去と現在のアイデンティティーの板挟みに悩む「過渡期」の苦しみの乗り越え方についても、紙幅を割いている。過渡期を支えるのは、古くからの友人や前職の仲間ではない。今までのキャリアから乗り換えるにあたり、「強いきずなは視界を奪う」という言葉は、よく心しておくべきだろう。 本書の後半にまとめられている「新しいキャリアを見つけるための型破りな9つの戦略」は、キャリア・チェンジに留まらず、人生におけるさまざまな岐路に直面したときにも等しく効果的な戦略である。次のステップを模索中の人に、勇気を与える1冊だ。(朝倉真弓)
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座って自己分析や適正分析をしても、あなたにぴったりの職業は見つかりません。行動して初めて道はひらけるのです。じっくり、ゆっくり、色々のことを少しずつやってみる。一歩後退二歩前進の心構えであせらずにやってみる。ピッと来たら、その方向を探ってみる。そのうちに、今までの自分と違う自分、いままでと違う、と思い込んでいたのと違うライフスタイルや職業が見えてきます。しかし、最初のうちはそのことに気づきません。このときが一番苦しい。後ろを見たり、左右を見たり、どっちへ行ったらいいか分からない。しかし、自分に素直に、それなりにやって行けば、やがて霧が晴れます。
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