96年のインターネットバブル真っ盛りにハーバドビジネススクールで学び、インターネットバブル崩壊の中で起業し、その後を生き抜いた三人の起業物語である。彼等が成功したのは、トレンドを掴んだことか、彼等の意志が強かったからなのか、それとも、沢山のケースを学んでいたことなのか。大学教育から投資環境まで、米国には起業するインフラが整っていることは確かである。
自己満足な技術を語れば優しく金だけ出してくれるようなエンジェルは、どこの国にも存在する分けがない。しかし、20世紀末期の米国では、製品コンセプトを語るだけで金が集まり、IPO(株式上場)まで出来た時代があったことも事実である。集まった金を湯水のごとくファシリティに投資して失敗したウェッブバンがあれば、危うさが囁かれたアマゾンは5兆円企業へ成長した。21世紀はグーグルのIPOで始まり、そのトレンドはネットワーキングビジネスへと移り、フェイスブックはファイリングを済ませている。多くの金が集まり、多くの会社が起業され、多くの事業が失敗しても、その失敗を埋める企業が生き残り、それを上回る新しい富を創造している。
クリスはネットワーキングで起業し、マークは求人サイトと、イーコマスとトレンドを先取したビジネスで起業し成功している。マーラは化粧品販売であるが、セールスレップがコミッションの多い商品を販売する売り方を廃止して、セールスレップが顧客にとって最適な商品を販売する方法を取り入れ、そして、セオリー通りデレッキーという後ろ盾を見付けて成功している。この三人の物語を軸として、10のルールで起業を解説している。
日本では、とかく色眼鏡で眺められるビジネススクールや米国流ビジネスの真実の一端を覗くことができる。ビジネススクールが何を教えているのか、その真実を知る手掛りとなることを期待する。