この本はタル・ベン・シャハー博士の『EVEN HAPPIER』の翻訳本です。ポジティブ(肯定)心理学、『いわゆる幸せになる方法を研究する学問』の成果を存分に生かし、具体的方法を52週に分けて述べています。
博士には『HAPPIER』という本もあり、一貫して述べているのは、『学校も親も(社会的に)成功する方法を教えようとするが、幸せにになる方法を教えてはくれない。成功が幸せをもたらすとは限らない。幸せになるには幸せに向けた方法がある』ことです。
私は原書を苦労して読みましたが、悩み多き私にとっては救いとなる本でした。今回日本語訳がコンビニに出ているのを見つけて、やはり自分の母国語、日本語で読んでみようと思いました。
『ある人たちが幸せになり得るすべての要素をもち、夢を実現して成功している一方で、何度も不運や困難に直面し、惨めで人生を楽しむことができない人たちがいるのはなぜでしょうか?』が本書20週、『いいところを探す』にあります。この原文は、
『How is it that some people who have every conceivable reason to be happy, who have fulfilled their dreams and attained success, are miserable, whereas others, who repeatedly face misfortune and hardship, rarely fail to celebrate life?』
で、日本語訳では、『夢を実現して成功をも達成し幸せになり得るあらゆる理由を持っているいく人かの人たちが不幸(miserable)である一方で、何度も不運や困難に直面している人たちが人生を楽しむことにめったに失敗していない=人生を楽しんでいる(rarely fail to celebrate life)のはなぜでしょうか?』となると思います。
言い換えれば、成功している人が不幸で、成功していない人が人生を楽しんでいる、という不思議な現象が起こるのはなぜでしょうか。という疑問を投げかけています。
細かいところを指摘するつもりはありません。具体的に幸せになる方法論を説く本書を日本語で紹介したことの意義は大きいと思いますし、原著の趣旨から大きく逸脱するほどのものではないと思います。しかしながら、本書はベストセラーとなりつつあり、そのような本としての翻訳の品質への責任はあると感じております。