"Please,Please,Me" "With The Beatles" "A Hard Days Night" そして "Betles for Sale" の初期4作品は、今回始めてステレオ盤がリリースされた。アメリカ盤等で、かつて行われた中途半端な"擬似ステレオ"ではなく、文字通り「リ・マスター」なので、音がこの上なく広がって、格段に「いい!」「非常にいい!」状態に仕上がっている。マスター・テープを、40年以上もきちんと保存してきたEMIアビー・ロードスタジオの強みだろうか。
ジャケットの作り込みは、さすがにモノラル盤の紙ジャケットのほうが圧倒的にいいが、ジャケットは二の次、三の次である。CDは音が命。モノラル盤も当然リ・マスタリングされているので、音がいいのは当然だが、今後のビートルズのスタンダードCDとして、EMIスタッフがステレオ盤を選択したことは正解だった。それほどの今回のステレオ・ヴァージョン、いい出来栄えである。以前のモノラルのCDでは聞こえなかったような音が聞こえてくるようである。
特にこの"A Hard Days Night" では、"Please Please Me" "With The Beatles" のように少々無理のあるセパレーションを施すわけでもなく、ごく自然なステレオ化がなされているのは納得できる。
今回のザ・ビートルズの音は、iPodのようなMP3プレイヤーではなく、ましてやPCのCDドライブではなく、そこそこのシステムを組んだコンポステレオで、そこそこの大きさを持ったスピーカーを通して聴きたい。そうでなければ、折角の今回のリ・マスターである、エンジニアの意気込みは伝わってこないのではないだろうか。