本書の基となったNHKの語学講座番組をなにげなく見かけたことがあります。そのときは確か、本書の16頁に掲載されている「turn towards」と「turn on」のニュアンスの違いについて紹介していました。番組では、都内を歩いている英語ネイティブ数人にこの二つの熟語の違いを身振りで示してほしいと取材班が依頼して回ります。そしてすべてのネイティブがやってみせた行動は、この二つの違いを実に明快に表していて興味深いものでした。私も長年英語とつきあう人生を送ってきましたが、このonという前置詞の「感じ」については十分理解できていなかったな、ということを思い知ったほどです。
その番組によれば(そして本書によれば)、onという前置詞は「圧力」をイメージさせる単語であり、「turn on」とは相手に対して心理的な圧力を感じさせるように振り向く、つまり「にらみつける」ということを意味しているのです。確かに番組でネイティブたちは、隣にいる人に今にも襲い掛からんばかりの形相ですばやく振り向いていました。
本書は英語の様々な単語や熟語について、日本の学校教育が施すような文法的説明を丸暗記するような手法を排除して、ネイティブがどんな「感覚」を持ちながら英語を話しているのかに重きを置いて大変分かりやすく解説しています。
未来を表す4つの表現(will /be going to /be 〜ing /現在形)の「感じ」の違いは、少なくとも私が英語を勉強し始めた30年前には、教えてくれる先生はいませんでした。
最近でこそ、この違いを解説する英語学習書は増えましたが、その中でも簡単なイラストつきで紹介している本書はなかなかのお勧めといえます。
中学・高校時代に本書に出会っていれば、もっと英語が出来るようになったのではないかという思いがします。中高生は迷わず手にすることをお勧めします。