ベトナム戦争で最も激しい戦いのひとつとなった、69年5月の『アパッチ・スノー作戦』を描いた87年
公開のアメリカ映画です。
冒頭、新兵達が粗末な娼館で『お楽しみ』に興じたりする場面は俳優たちの素朴な佇まいもあって何
やら青春映画のような印象。だが部隊が937高地攻略の任に着くと雰囲気は一変する。ナム戦定番
のジャングル戦ではなく、F4ファントムのナパームで焼け野原になった丘の陣地を攻略するという、正
攻法だが攻撃側に出血を強いる戦いのため、戦闘は凄惨なものとなる。
米軍がM60やM79グレネードランチャーを撃ちまくり、塹壕に立て籠もるヴェトナム兵もRPD軽機関
銃やポテトマッシャー型の手榴弾で応戦。至近距離でM60を撃ってヴェトナム兵の頭を粉々に粉砕し
たり、味方ヘリの誤射で米兵が大量に死んだりと、実に凄まじい。20年以上前の映画とは思えない
ほどの迫力だ。
69年はアメリカでベトナム反戦運動が盛んになっていた時期であり、劇中でもそのことに触れている。
一度復員したものの『ベトナム戦争=悪』が世論となっていた故国で居場所を失い、再びヴェトナムに
志願したと語る古参兵ウスター(吹替の若本規夫の演技が良い)の話は胸を打つ。反戦活動をするの
はいい。でも母国の為に命を賭けて戦っている兵士を、同じ国民が安全な場所から非難するというの
は不条理に思える。兵士が戦争を始めたわけではないのだから。
DVDには特典として製作ドキュメントやオーディオコメンタリーが収録されるほか、日本公開時のパン
フレット、チラシの縮小版レプリカが付きます。ブルーレイの発売が無いのは少し残念ですが、ナム戦
映画の傑作であることは間違いありません。戦争映画が好きな方なら買って損はないと思います。