本書の原題は“
Hamburger: A Global History”。
「ハンバーガーは屋台で売られるマイナーな食べ物として19世紀末にアメリカで誕生した。
それから数十年のうちに、……このサンドイッチは食品の新しい販売モデル、『ファスト
フード』産業の中心的な存在に成長した。ファストフードの登場でアメリカ人の食生活は
大きく変わった。ハンバーガーはアメリカから他の国へも広まり、20世紀後半には、
世界で最も目覚ましい成長を見せるビジネスの根幹となった」。
ハンバーガーの起源を辿ることにはじまり、フード・チェーンとしてアメリカ全土への
展開はやがてマクドナルドなる怪物の到来を迎え、遂にこの超大国のライフスタイルの
象徴へと化したこの食品は、時にアメリカン・グローバリゼーションの雛型なるがゆえの
逆風に直面させられつつも、今なお全世界への膨張をやめない。
そんな「ハンバーガーの歴史」をひもとく。巻末には古今のレシピつき。
いくらでも面白くできそうな要素はある。例えばフランチャイズ・ビジネス・モデルの
解明にしても、第二次世界大戦以後の郊外型生活様式への移行とハンバーガーの親和性、
消費社会文化論にしても、世界展開に際してのローカル化にしても。
しかし、本書ではそうした情報のことごとくが希薄にのっぺりと語られるに過ぎない。
単にhamburgerとググるだけで本書が提供している程度の情報は調達可能、というか
よほど有益なソースとして機能してしまう始末。
どうせ編集者のやっつけ仕事だろ、と思いきや一応筆者はアメリカの大学で講義を
持っているのだという、さすがに専任教員ではないらしいが。
こんな本に金を落とすくらいなら、自粛なんてバカの戯言は一刻も早くやめて、近くの
ご飯屋さんでちゃんとした食事を摂った方が、あらゆる観点からして有益。